2012年7月11日水曜日

大谷石、旧富屋村徳次郎の石造建築 (1)

徳次郎の最初の一枚は屋根瓦である。勿論、凝灰岩製の瓦。
宇都宮の有名な大谷石の教会はその荘厳さから全てが大谷石かと思ったら、表面に張り付けたものだと聞いた。何れ機会を見てこの教会の画像をご案内しようとは思って居るが、貼り合せとは思えない。
それだけの強度が在るから、本来なら水や凍結に弱いと思われがちな凝灰岩をこの様に瓦に採用する事が出来るのだろう。話には聞いていたが本物を観たのは多分この徳次郎での例が初めてだった様な気がする。
大正十年十一月に発行された臨時議院建築局編纂の「本邦産建築石材」第十四節「凝灰岩の特質」の項にも、「(略)有孔質の岩石ナレバ水気ヲ吸収スルコト多クシテ雪霜ニ耐ユルモノ少ナク構造材トシテハ不適ナリ(26頁)」と書かれている程である。

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