2011年2月15日火曜日

房州石・古墳(D-1)立石様

葛飾区教育委員会が設置している「葛飾区指定史跡 立石」(昭和51年3月)によれば、「この石が古墳の石材の一部であるか、巨石信仰の一種なのか確かな事はまだわかっていません。しかし、この附近にいくつかの古墳が築かれていたことは、発掘によって確認されています。」とあります。
この立石様については、葛飾区郷土と天文の博物館の谷口榮氏の研究に詳しい。平成22年3月には博物館の考古学調査報告集第19集として4次にわたる調査のまとめとして「立石遺跡Ⅳ」も刊行されています。
立石様本体の大きさは「立石様研究ノート」(22)頁に「松の根で二つに割れ、高さも二寸弱であった。現在では大正の頃に図示された小さい方の石は地表面には顔を見せておらず、大きいほうも南北約55cm、東西約27cm、高さもわずかに2~3cm程度頂部を覗かせているにすぎない。」と書かれている。石質については同資料の(29)頁に、「葛西志」の記述として「石質は至極□悪にて、海砂を泥に雑へて、ねり会わせしごとく、鼠色なる和らけき石なり、相傳ふ此石は、寒気にいためるにや、初冬よりここかしこと、次第にかけおち、その形もかはるばかりに損じぬれども、・・・」とあり、柔らかな泥岩である事を伺わせる。次の画像でその御神体をご覧頂く。

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