2011年1月30日日曜日

房州石・古墳・富津磯石

古墳の石室に使われている穿孔貝の生痕化石のある泥岩・砂岩が、その産地地元と目される千葉県富津市周辺では「富津磯石」と呼ばれているにも拘らず、埼玉県や東京都に在る古墳に関連した博物館の説明や文献などで「房州石」と言われているケースがあります。
千葉県や神奈川県に長く建材として使用された岩石に房州石があります。岩の質も見た目も生成年代も異なる時代の岩石を捉えて、既に長い間建材として使用されてきた房州石と同じ名前を、学問の系列が異なるからと、何時誰がその様に言い始めたのか知りませんが、そのまま使い続けて居ると言うのは一種の傲慢でしかないと思います。
このブログでは房州石の地元の代弁をしようなどとか、房州石や富津磯石についての科学的研究成果を発表しよう等と言う大それた事を考えて居る訳でもありませんが、まず最初に世間一般に流通している房州石が使われている例を見て頂き、次に古墳や古墳類似施設の石室に使われている生痕化石のある泥岩・砂岩を見て頂く事でその違いを知って頂ければと考えています。更に、それらの存在する千葉県富津市の磯根岬から房州石の本来の産地である鋸山までの内房の海岸線の地質風景をご案内してみたいと考えています。
上の画像は金谷の町にある美術館の外壁に使用されている美しい房州石のブロックの画像です。このブログの一番最初の画像は、足利市で観掛けた房州石でした。もう一枚の画像は、二枚貝の生痕化石がある凝灰岩質泥岩の例です。産地は異なりますが貝殻が入っている例を見て頂く為に、房総半島と地質的な繋がりが強い三浦半島で撮影した画像を用意しました。博物館内で撮影した画像は撮影許可は頂いていますが印刷物やHP等に使用するには別に許可が必要なのでこの画像を使用します。
何故、白い石なのか?何故、穴の多い石を用いたのか?疑問は尽きませんが、脇道に逸れないように出来る限り毎日画像をUPして行きたいと考えています。

0 件のコメント: