2021年4月10日土曜日

凝灰岩質石材の旅::No.112224-06:越谷市の伊豆石と赤玉石

 所在地:越谷市中町 8-2:非公開個人宅

国土地理院地図座標:35.892283,139.786423

東武線蒲生駅から徒歩:約 500 m

越谷市郷土研究会のお膝元を訪ねて三回目は、一番駅(東武スカイツリーライン:越谷駅)に近い観察ポイントです。丁度、Y字型の分岐点の両側に低い石垣が積まれており左手は道路沿いに花壇が地域の方々の手で整備されています。この花壇の周囲に置かれた切り石が、伊豆の下田付近から運ばれて来た「伊豆軟石」です。「木下半助商店」さんや「塗師 小泉家」さんで観察された「石灰質砂岩」と少し硬い「含礫緑色凝灰岩」と言う石材が使われています。中には一棟のマンションが建っていますが元々は「有瀧家」の敷地の様です。有瀧家からは有名な植物学者が出ていますので、以前は専用の植物園も有ったと聞きます。右手に延びる黒板塀に沿って歩くと旧日光街道との交差点の手前に有瀧家のご自宅があります。右手の道路沿いに赤い点を置いているのは、外からは見えないけれど、この黒板塀の礎石の部分には伊豆の石材が使われているからです。

旧日光街道との交差点付近に緑色で塗っているのは、この付近に数個の「赤玉石」が庭石として置かれているからです。残念ながらつるつるに磨かれています。

赤い丸が次の画像の分岐の部分です。緑の丸葉この付近の石材の見所。旧日光街道との角に緑を塗ったのは、ここもチョットご覧頂こうかと思った場所。
赤線は、伊豆の石灰質の砂岩と、角礫を含む緑色凝灰岩の低い石垣の有る処。赤の点線は、見えないけれど、この部分にも細粒の緑色凝灰岩が隠れている処。表面のモルタルが剥がれると見えるかも知れませんが、剥がしちゃいけませんぜ!
東武の駅からほんの 500 m 程度の位置にこのY字の交差点があります。石垣に使われているのは大部分が伊豆から運ばれて来た石材です。
左手の少し奥の方の 越谷市史て天然記念物「有瀧家のタブノキ」の説明版が建って居る辺りです。花壇の縁石にはやや太い白い筋が観察されます。この石材が木下半助商店さんや
小泉家の左手に使われていた石灰質の小さな化石の集まった「石灰質砂岩」の石材です。石材の表面は少し黴が生えていて黒ずんでいるかもしれません。
 良く探すと石材の表面が薄く剥がれて、やや明るい色の内部が見えている部分があるかもしれません。ルーペが有ったらこの様な綺麗な部分を観察してみると真っ白~乳白色の部分が
見えて来る筈です。風化した表面では小さな貝殻の破片の様なものが斜め方向に並んで居るかも知れません。
右手の角の辺りの石垣を見ると(左手より右手の方が少し表面の状態が良いと思います)この様な景色が見えます。汚れてはいますが、淡い緑色が見える筈です。右手に建てているのは 17 cm の木製の定規です。
薄汚れている石材の中で、緑色が観察し易いものを探してみて下さい。この図のように小さな(大きなものもありますが)角ばった石ころ(礫と言います)が内部に取り込まれているので、ルーペで観察する事がお勧めです。
2015年7月末にこの黒板塀の処を通りかかると、板塀が変形していて礎石が散乱していました。どうやら車が突っ込んだ事故が有ったようです。私じゃありませんよ!
塀が壊れた部分を覗き込むとこんな惨状でした。赤線で囲んだものは細粒の水色~白く見える緑色凝灰岩。緑で囲んだ部分は、Y字路の花壇の部分に使われていた礫混じりの緑色凝灰岩の石垣でした。スミマセンね!こんな時まで観察しちゃって・・・・
有瀧家の角のお庭に置いてある佐渡の赤玉石です。勿論、伊豆半島にもこのような緻密な岩石は有り、「赤玉石」と云うのは佐渡の中の特定の産地から採掘されたものを呼ぶ
ブランドの様なものですが、・・・

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