2021年4月8日木曜日

凝灰岩質石材の旅::No.112224-05A:越谷市の伊豆石と房州石

 国土地理院地図座標:35.893605,139.786440

東武線蒲生駅から徒歩:約 700 m

図らずも前の投稿から一週間以上が過ぎてしまった。悔しい話だけど、老いは目に見えぬものの徐々に若い頃と同じようにはエネルギーを持ち続ける事が難しい状態になっていく事を実感してしまった一週間が過ぎてしまった。

少々、忙しい数日を過してしまって疲れただけです!愚痴は面白く無いので、本論に入ろう。

前回の木下半助商店さんの道路を挟んで反対側に「塗師 小泉家」が有る。木下半助商店さんの礎石に使われていた伊豆の石灰質の砂岩が、この家では正確にはどういえばよいのか判らないが建物の前面の外構とでもいうのか、建物の正面左側に小さな空間を作っている部分に使われている。また建物の右手の石塀は越谷の三か所の石蔵の石材と似ている様で似ていない部分が有って正直困惑しているが、一応「房州石」と仮置きしている。この石材をご紹介したい。

中央の赤丸が勿論、この「塗師 小泉家」の建物。周囲の緑の丸は、石材として興味深い場所。勿論、木下半助商店さんも含まれている。
建物の正面の画像です。図の左手の低い石塀で囲まれた部分と、右手の石塀にご注目頂きたい。
左手の一部木造部を含む部分の画像です。低い石塀の笠石(一番上の石)は、緑色凝灰岩も混じっているが、肌色の石材の部分は、木下半助商店さんの土間で観察される石材と同じものが使われています。本来ならば強い石材なのですが、乗り越えて来た昭和の時代には「酸性雨」も有りましたので、この石材を強く・硬くしていた石灰質が溶かされてしまって風化が進み始めています。
擬宝珠の様な加工をしているこの石材も、同じく石灰質の砂岩です。
周辺に風化剥離した岩片が幾つか散っていましたので、そっと拾い上げて、写真を撮らせて頂きました。勿論、直ぐに元に戻しておきましたよ。白いのは石灰質の海藻(石灰藻)やフジツボなどの破片で、茶や黒いのは火山灰起源砂などです。
右手の石塀の一部です。房州石に似た伊豆の凝灰岩なのか、本物の房州石か?意見は分かれる処ですが、私は房州石で良いと思っています。次の画像も石塀の別の部分の拡大図です。
一軒の屋敷に、房州石と伊豆の軟石を使う事は変だと思われる方も居られるかもしれませんが、時間軸を考慮に入れれば石材産地の異同はあまり大きな問題にはならないと思っています。
石塀には両開きの鉄扉が穿たれています。私がこの石塀を「房州石」としたのは、もし、伊豆の凝灰岩を石塀に使っていたら、この扉の枠は緑色凝灰岩を使う筈だから
白い安山岩系統の石材を使っているので「房州石」の可能性が高いと判断した事も有ります。房州石の構造物では、芦野石やそれ以外の石材が開口部の枠などに使われる例が多いのです。枠の水平部分には波型の飾りが加工されていますが、この部分は表面が比較的平らなので石材を観察し易くなっていますので接写して見ました。安山岩かもしれませんが恐らく凝灰岩でしょう。産地は不詳です。画像の横幅は 45 mm です。

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