2019年6月6日木曜日

GVP 週間火山活動情報の概要:5月29日 ⇒ 6月4日:20(18)火山

New Activity / Unrest
Colima  | Mexico  | 341040 | 3850 m
25-31日の間に、小規模の複数の噴火と断続的な水蒸気と火山ガスの噴出が、主に火口の北東側で続いていた事が観測されています。23-24日の上空からの観測では、前の週に観測された新しい亀裂は、爆発或いは沈下により大きな火口に状に代わって居ました。火口内の温度は最大 252 ℃で、5月1日の観測地より 80 ℃上昇していました。



Etna  | Sicily (Italy)  | 211060 | 3295 m
30日0220時に標高 3,150 m の“NSEC”火口の北側に割れ目火口が開口し、ストロンボリ式噴火が始まり、溶岩が“Valle del Bove”の西側火口壁に向かって流れ出しました。溶岩流は0915時には、“Monte Simone”付近の標高 2,050 m 付近に達し、その長さは 2 km に達しました。数時間後に、“NSEC”火口の南東側山腹の標高 3,050 m 地点で二ヶ所の割れ目火口が開口し、その両方から溶岩流が流れだし、“ Valle del Bove ”の西側の谷に沿って収束しながら“Serra Giannicola Grande”に向かって流れ、時折、2018年の溶岩流を覆いながら、0915時には標高 2,260 m 地点に達しました。割目火口での火山活動は火山灰の噴出を伴いながら1150時から激しさを増しましたが、暫くして勢いが衰え夕刻にはほぼ停止しました。溶岩流は31日の早朝には谷の底に達し、その長さは約 3 km に達しました。
  INGVの火山学者に拠れば、二ヶ所の割れ目火口からの溶岩流は、6月1日の現地調査時にも流れ続け、激しいスパッターの噴出が NSEC 火口の南東側山麓の火口から発生していました。1930時には北側山麓の割れ目火口からの溶岩流は流れを止め、冷えはじめました。2日の現地調査では、標高 2,850 m 地点の割れ目火口からの爆発的な活動と溶岩流の流出は続いていました。溶岩流は“Valle del Bove”谷の西側の火口壁に沿って、前の日の溶岩流を覆っています。


Great Sitkin  | Andreanof Islands (USA)  | 311120  | 1740 m
6月1日に小規模の水蒸気爆発が地震観測データから判別されたので航空カラーコードを「イエロー」に引き上げました。

栗駒山 | Honshu (Japan)  | 283210 | 1627 m
JMA raised the Alert Level for Kurikomayama to 1 (the lowest level on a 5-level scale) on 30 May due to an undescribed potential for increased activity at the crater.
Source: Japan Meteorological Agency (JMA)
⇒5月30日14時に公表された「栗駒山 噴火予想」見出しと本文には「<栗駒山に噴火予報(噴火警戒レベル1、活火山であることに留意)を発表> 本日(30日)14時から栗駒山で噴火警戒レベルの運用を開始しました。火山活動は、これまでと変わらず静穏な状況で、噴火の兆候はみられません。」と記載されており、英文表記は誤りであり誤解を招くと思われるので両方をそのまま記載します。

弥陀ヶ原 | Honshu (Japan)  | 283080 | 2621 m
JMA raised the Alert Level for Midagahara to 1 (the lowest level on a 5-level scale) on 30 May due to an undescribed potential for increased activity at the crater.
Source: Japan Meteorological Agency (JMA)
⇒栗駒山同様5月30日14時に公表された「弥陀ヶ原 噴火予想」見出しと本文には「<弥陀ヶ原に噴火予報(噴火警戒レベル1、活火山であることに留意)を発表> 本日(30日)14時から弥陀ヶ原で噴火警戒レベルの運用を開始しました。立山地獄谷では熱活動が活発な状態が続いていますので、引き続き、火山活動の推移に注意してください。」と記載されています。

Sinabung  | Indonesia  | 261080 | 2460 m
5月31日から6月4日までの間、山頂から 500 m の高さまで白い噴煙が上昇しました。警戒レベルは“1-4”段階の“3”。南東側 5 km 以内,北東側 4 km 以内とその他の半径 3 km 以内は立ち入り禁止。

Ongoing Activity
Agung  | Bali (Indonesia)  | 264020 |  2997 m
31日1142時に爆発により濃密な灰色の火山灰を含む噴煙が 2 km 上昇しました。鳴動音が火山の南西 8 km の火山観測所でも聞こえました。警戒レベルは“1-4”段階の“3”。半径 4 km 以内は立ち入り禁止。

桜島  | Kyushu (Japan)  | 282080 | 1117 m
5月27日から6月3日の間ごく小規模の噴火が南岳火口で発生した事が観測され、時折、火口の火映が観測された。警戒レベルは“5”段階の“3”。

阿蘇山  | Kyushu (Japan)  | 282110 | 1592 m
5月29日と31日に、ごく小規模の噴火が有り、噴煙が火口縁の上空 400 m まで上昇した。亜硫酸ガスの排出量は日量で 2,000 トンと依然として多い状態が続いている。
警戒レベルは“1-5”段階の“2”。

Dukono  | Halmahera (Indonesia)  | 268010 |  1229 m
5月29日から6月4日の間、火山灰を含む噴煙が高度 2.1-2.4 km に達した。警戒レベルは“1-4”段階の“2”。半径 2 km 以内は立ち入り禁止。

Ebeko  | Paramushir Island   | 290380 |  1103 m
5月25-28日の間爆発により火山灰を含む噴煙が高度 3 km に達し、27-28日には火映が観測された。航空カラーコードは「オレンジ」

Ibu  | Halmahera (Indonesia)  | 268010 | 1325 m
31日に複数の火山灰を含む噴煙が高度 2.1 km に達した。6月2日には高度 3 km に達した。警戒レベルは“1-4”段階の“2”。火口から北側の 3.5 km 以内と、それ以外の半径 2 km 以内は立ち入り禁止、

Karymsky  | Eastern Kamchatka | 300130 | 1513 m
5月24日に、火山灰を含む噴煙が火山の北東 45 km に達し、28-29日には熱異常が観測された。航空カラーコードは「オレンジ」

Klyuchevskoy  | Central Kamchatka   | 300260 | 4754 m
4月22日に火山灰を含む噴煙が観測されたのを最後に、弱い熱異常が5月15日に観測されたのみなので、航空カラーコードを31日に「イエロー」に引き下げました。

Krakatau  | Indonesia  | 262000 | 813 m
地震観測ネットワークが5月29日に一回。6月2日に二回の噴火を記録しました。天候が悪く噴煙等を視認する事は出来ませんでした。警戒レベルは“1-4”段階の“2”。半径 2 km 以内は立ち入り禁止、

Merapi  | Central Java (Indonesia)  | 263250 | 2910 m
この期間中も溶岩ドームの容積は変わらず 458,000 m^3 と見積もられている。新しく押し出された溶岩は南東側山腹に落下し、岩屑雪崩を生じ 1.1 km下流まで落下している。
白い噴煙が山頂の 400 m 上空まで上昇。報道に拠れば、6月1-2日にも岩屑雪崩が 1.2 km まで流下した。加えて白熱した溶岩ドームの岩石が6月2日に 750 m 流れ下った。
警戒レベルは“1-4”段階の“2”。半径 3 km 以内は立ち入り禁止、

Poas  | Costa Rica  | 345040 | 2708 m
5月29日から6月1日に掛けて、複数の水蒸気爆発が記録され、噴煙が火口の上空 500 m まで達した。

Santa Maria  | Guatemala  | 342030 | 3745 m
5月29-30日に、ラハールが下り、 1-3 m の岩塊と樹幹を押し流した。ラハールは幅 20 m 、深さ 1.5 m 。29日の羅はいるは高温のラハールで硫黄臭が有った。
5月30日から6月4日の間、複数の爆発が有り、噴煙が火口の上空 800 m まで上昇。岩屑雪崩が東と南東の山腹を下った。

Sheveluch  | Central Kamchatka |  300270 |  3283 m
5月24-31日の間溶岩ドームで熱異常が観測された。航空カラーコードは「オレンジ」

諏訪之瀬島  | Ryukyu Islands (Japan)  | 282030 | 796 m
5月24-31日の間、南岳火口で時折火映が観測された。30日1629時の噴火では、噴煙が火口縁の上空 1.1 km まで上昇し、警戒レベルは“5”段階の“2”。
以上

箱根大涌谷_温地研_2019/06/04_1515

Nevados de Chillan_2019/06/04_101403

Stromboli_2019/06/05_0859

十勝岳_2019/06/03_08330000_TOKTVOvsm

十勝岳_2019/06/03_08505500_TOKHNTvsm
以上

0 件のコメント: