2018年12月15日土曜日

栃木市平柳町:星宮神社に来た伊豆軟石の狛犬

前回と併せて20ヶ所程の社寺を巡って使われている凝灰岩質石材の種類を調べて見た。予想外に、今は同じ栃木市内になってしまったが「岩舟石」が善戦しており、神社や歴史的建築の礎石類はほぼ独占している雰囲気だし、巴波川(うずまがわ)の護岸に関しても新しいものは別にして殆どが岩舟石で、想像通り大谷石は新しい建築以外は殆ど受け入れられていない様だ。(全数調査した訳では無いが)
伊豆の軟石が殆ど栃木には入っていないのと、観察する事の出来た殆どがほぼ同じ種類の伊豆軟石だったのに興味を惹かれた。
この神社の狛犬は、砂質緑色凝灰岩を掘り込んだもので、残念ながら造立年代が確認出来なかったのだけれど美しい御姿なのでご紹介したい。



左右共に多少は風化しているが余り目立たない

向かって右側のお顔の付近を拡大すると少しだけ疲れが見える。(緑色の部分)

尻尾の付近は健全です。

鋭い爪も、しっかりと尖っています。

台座には、手工具の跡もしっかり残っています。

台座の一部を接写して拡大してみた画像です。粗さが目立ちますが、実は石灰質に囲まれた砂粒が脱落した跡が観察されます。今日は、何故かスケールが一つもリュックに入って居なかったので、全てスケール無です。

慣れないと判り難いのですが、風化で剥離した部分の接写画像です。(左右に少し見易い場所がありますが)砂粒が緑色凝灰質に包まれているのがお判りでしょうか?

台座の石材は、大谷石と思われるかもしれませんが、これは鹿沼石です。大谷石よりは武骨に見えますが意外と「ミソ」が無くて筋状の模様を見せる軽い石もしっかりしています。珪質の礫が時々含まれているので、これが在れば直ぐに特定出来ます。

右側の台座の外側に目印の岩片がありました。これで完璧です。もっともこれが見付からなくても慣れると判り易いですよ。

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