2018年1月14日日曜日

博物館には様々な岩石の鑑定依頼が来る

博物館には様々な発掘の現場や、趣味としての岩石の鑑定依頼がやってくる。偶にそのような場所に居合わせて、その岩石が凝灰質だとつい口を出してしまう事が有る。
千葉県内の有る発掘現場から産地の鑑定を依頼された凝灰質砂岩の例

肝心な部分がボケたがスケールが入った外観図が他に無かったので、これは画像の横幅が8cm.ボケてしまった中心部の表面画像を下に。

発掘品なので、加工は一切できないので、ルーペで色彩が鮮やかな部分を探していると赤い小さな岩片が所々に目立つのと、粒子がやや大きめの石英粒子に富んでいるのが判る。しかも、構成粒子の外側を白い鉱物が取り囲んでいる。



鑑定は、類似の鉱物や岩片の性状や、粒度等を参考に手持ちの画像と比較していくのが一般的。私の手元の画像では下の二枚が比較的似ている。



これは黒滝層の中の石灰質に富む部分で「高宕石」と云う勝っては採掘されて仏像や神社等の階段石に良く使われていた石材。
但し、試料の方は全般的に高宕石よりも粗粒で、特に石英粒子がやや大きくて量が多い、
九十九里に近い山武市の成東石にも似るが、これも細粒なので一致しない。
含まれている赤味を帯びた火山岩片の類似が有るので、黒滝層かそれより多少古い石灰質で固められた凝灰質砂岩が、我々の知らない何処かに在るらしい。
データベースを積み上げるのも中々大変な作業です。

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