2018年1月16日火曜日

風化が織りなす石材模様:南浦和付近でのFW

月曜日は朝夕は厳しい冷え込みで、東浦和の公園の霜柱も4 cm 以上に伸びる状態ながら、

満開の蝋梅が早春の香りをいち早く感じる事の出来る一日だった。

 南浦和付近の二度目のFWとして、お隣の東浦和から西に向かって、埼玉スリバチ学会さんの1月6日のコースを念頭にしながら、今回は二ヶ所の「六地蔵」と二ヶ所の神社で凝灰岩質の石材を観察する事が出来ました。六地蔵はこれまであまり関心を惹かれる事が無かったのか殆ど記憶に残っていないのだが、太田窪観音堂では、改修された昔の観音堂礎石に伊豆の石灰質凝灰岩が使われていた事も有りしっかり観察させて頂いたのだが、地蔵の蓮華座の下の四角い台座部分の石材の部分が何れも伊豆の下田八幡神社裏の「幼稚園丁場」と呼んでいる石切り場で産出する石材に酷似しており、しかもその上に建つ六地蔵の御姿に比して如何にも美しい表面をしていて、一部の地蔵像と同じ石材なのに風化の状態が異なり興味を惹かれた。



もう一か所の根岸の観音堂脇の六地蔵⑤は、地蔵像の大部分はは太田窪と同じ凝灰岩だが、四角い台座は箱根溶岩(小松石)らしい事も面白い組み合わせだった。

 太田窪氷川神社では珍しく房州石の石垣と礎石に出会えた。改修で古い石材と新しい石材が混在していて、拝殿の礎石がもっとも新しく、大谷石(上)と房州石(下)の組み合わせ。

拝殿前の石垣は古いものだろうと思われるのだが、これは房州石。何故か石垣に嵌めこまれた奉納額だけは伊豆の緑色砂質凝灰岩が使われている。

房州石が江戸に出回り始めた頃に、運賃分だけでも易い房州石産地に(良く似た)「伊豆石」の注文が入っていた頃の名残だろうか?淡い桜色の「桜目」(さくらめ・おうめ)と称された岩片も観察される。常夜燈は台座から全て箱根溶岩なのだが、露わになってしまった礎石は伊豆の石灰質凝灰岩が使われている。

幟旗の竿を保管する細長い屋根掛け(覆屋)の木材も少し凝って弓型の曲線に心ひかれたが、その束石も伊豆の細粒の凝灰岩が補修時に組み込まれたコンクリート製の束石の中で強い自己主張をしている様に見えた。

 コース取りをミスって長徳寺と隣接する氷室神社と十度明神社に行き損ねたのと、神明の阿弥陀堂は直ぐ傍まで行っておきながら立ち寄れなかったので、今週中に機会が有ったら回ってみたい。利根川や江戸川周辺の田園地帯はこの時期、寒風が身に堪えるので、もう少し暖かくなるまでは、この付近の様に風を避ける事の出来る場所でFWをやりたいものだ。

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