2017年6月25日日曜日

白い凝灰岩を用いた五輪塔 (11) 正福寺の五輪塔

 伊勢崎市・みどり市・太田市等には流石に天神山や旧新里町の石山等を筆頭に凝灰岩質石材産地が広く分布するので、白い凝灰岩を用いた五輪塔の数が多い。そうそう度々来れるものでは無いからと、欲張って沢山の露頭や、寺院の五輪塔や多層塔を観察させて頂いたのだが、この正福寺には「伝新田氏累代の墓」とされる凝灰岩製のものだけでも二十点を越えるのだが、特徴を捉えたいと撮影をする内に、どうやら全てが天神山の凝灰岩では無いらしい事に気付いてしまった。
 最初は「天神山産の細粒緻密な白色凝灰岩」の中で、どの程度の岩質のばらつきが在るのかを見る積りだったのだが、その観察眼を養う前に他の産地の凝灰岩を見分けなければならない事になってしまった。折角撮影した画像の大部分を、「異質」なものと「ばらつき」の正確な把握の為に取敢えず御蔵にするしかない残念な事になってしまった。
覆屋の中の五輪塔や多層塔の状況。手前は比較的新しい安山岩製

新田義貞氏の祖父新田基氏の法名が記された五輪塔







上下がややアンバランスだが、比較的緻密な石材が使われている多層塔



「天神山産」とは異なると思われる組織や岩片の例



伊豆で凝灰岩を調査した際は、地元の文化財の方や、石灰質凝灰岩に造詣の深い方の御指導を頂けたので比較的調査が順調に推移したが、今回はかなり大変な作業になってしまった

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