2015年10月2日金曜日

仮称:茂木石の建造物 (1) 茂木市内の家屋外壁

ここで取り上げている(仮称)「茂木石」は時として大谷石として観られる事も多い様です。産地も広い大谷石の岩相を一括して述べるのも難しいですが、今回取り上げる石材は栃木県でも南西部や茨城県の水戸線に近い地域に数多くその構造物が存在しているものをさしています。
大谷石の他の石材とこの茂木石を区分するものとして、この石材の中にガラス質の黒色岩片が比較的多数(一つの構造物中に複数程度)含まれて居る事を特徴として捉えています。
但し、現在知られている茂木石の採掘露頭は真岡鉄道茂木駅裏の元東芝の地下軍需工場として使われていたものだけであり、現在は内部に入れませんが、ここではこのガラス質の黒色岩片は観察されて居ません。この種の石造物の所有者が「茂木」と考えておられる例が有る事。この黒色岩片以外の岩相が非常によく似ている事から取敢えず(仮称)の文字を入れて「茂木石」としています。尚、「大谷石百選」と言う刊行物には、茂木石の詳細な特徴は述べられていませんが「旧須藤郵便局」がこの石材を用いた例として上げられていますが、残念ながら、数年前に調査した時点でこの建物は解体されていました。
産地的には、市貝町に産出した「大谷津石」、茂木の「高岡石」、「坂井石」、「大門石」、「小糸石」、益子の「芦沼石」、「七井石」、「小宅石」等にもその可能性が在りそうだと考えていますが、現在の所、これらの採掘露頭を特定出来ていません。(芦沼石の丁場が現存している事は判っています)
 黒色ガラス質の岩片を含む部分の拡大図



0 件のコメント: