2020年6月5日金曜日

岩石と地層の表情:038;万田野砂の描く模様

砂取り場の規模の大きさと、その中で観察される砂の堆積の際に形成される「層理」をご紹介します。堆積時の流れの速さやにも層理の作り出す模様のサイズや形状が変わっていきます。
砂取り場の写真地図で黄線の左端のループの辺りから西の(左)の隣接企業の砂取り場方向を眺めたものです。遥かに下の方に重機:パワーショベルやブルドーザーがいます。はるか遠くの方まで大きな高低差の崖が続いているのが見えます。
崖の一部を望遠レンズで拡大して見ました。細かな処までは判りませんが、色や厚みの異なる砂の層が幾重にも積み重なって見えます。層の厚さも様々です。地層の構成を際立たせる為に“photo shop”を利用して画像補正を行っています。
同じ場所から上の方を見上げると、これもまた随分と高い場所にローム層が見えて松の木や広葉樹らしい木々が生えているのが見えます。
堆積時の「斜交層理」の立体的な形状も豪華に観察する事が出来ます。黄線で囲んだ所は 20 cm 程の厚みの火山灰層が堆積しています。比較的締まったそうになったので、その下の砂の層が風雨で洗われて凹んでしまっています。下の荒々しい斜交層理が形成されるような潮流が存在していなかった様な、きっと静かな海の時代に堆積した火山灰なのでしょう。左の方に板碑の様に斜めに建っている板状の岩片はこれが折れて下の層に突き刺さったものでしょう。
これが、前の画像の火山灰層の画像です。ネジリ鎌の柄は 30㎝程度です。火山灰層はほぼ細粒です。直登出来ないので、ずっと層を追ってやっと辿り着きました。
美しいハンモック状斜交層理です。私のフィールドノートのサイズは 16.5 x 9.5 cm です。斜交層理の少し上は平行に堆積層が流れています。どのように周囲環境が変化したのか興味を惹かれます。下から上に斜交層理の大きさが徐々に小さくなっているので、激しいストームから徐々に静かになっていく海の様子などを想像するのも面白いですね。
均一な砂の層だけでは無く、やや火山灰でも混じったのか泥質の様に見える斜交層理もあります。潮流の速度の変化で運ばれてくる土砂の粒径が変化するのでしょう。
細かな砂の斜交層理を砂鉄と輝石が筋目模様を描いてくれています。青いのは岩石ハンマーの柄の先端です。
斜交層理の目立つ砂の壁を見上げてみました。この画像の下の方にも火山灰の厚い堆積層が観察されます。斜交層理を立体的に下から観察するなんて中々出来ない事です。
最後の画像は砂の斜交層理に多分浅い海から運ばれて来た現地性では無い貝殻の破片が巻き込まれた層の観察画像です。小さな円礫も含まれています。

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