2020年5月31日日曜日

岩石と地層の表情:033;川下石の採掘場を見学

野蒜石は地質図で云うと松島湾層群松島層の凝灰角礫岩や軽石凝灰岩層を採掘していると思っていたのだが、鳴瀬川の左岸にはこの地層が分布せずその上位の大塚層が分布しているだけなのに古い文献では左岸側に石材の加工業者が多数所在していたと記録されている。
産地から、敢えて川をまたいで対岸側に加工業者が存在した理由を知りたくて(幻に終わった野蒜築港が関係した可能性も疑いながら)東松島市の鳴瀬町を歩いた時の事。残念ながら得るものが無く諦めて当時列車が運航していた「陸前小野」に戻った時に、列車が行ってしまった直後の駅前に止まっていたタクシーの運転手と雑談する事になったのだが、ふと思い出して、対岸だと思うのだが「川下石」と言う石材の採掘場を知らないかとお聞きしてみた。なんと詳細は省くが良くご存じで、最近もまとまった仕事が入ったと聞いているので、家迄連れてってやるよと仰る。残念ながらこの日はそれほど時間の余裕は無いので、悪いけど採掘場をチョット覗いて帰りたいのだがと持ち掛けると案内して下さることとなった。
地図は三陸自動車道の鳴瀬奥松島IC付近。川は吉田川と鳴瀬川。何故か河口近くまで堤防で別の河川として流下する。黄色で囲んだ部分は昔の川下石の採掘跡。インターが出来るので採掘場跡を買収して造成し工業団地をつくってしまったが、古い石材が地下に放置したまま造成してしまったので工場建屋を建てる際に基礎工事が大変な事になって賠償騒ぎになっていた事迄は掴んでいた。何処かで細々と採掘をしているという噂は聞き及んでいたがまさかインターの中に小さな採掘場が有るとは思っても見なかった。橙色で囲んだ場所がその石切場。最新の画像地図ではここに水が溜まり重機の影も無いのでもう操業はしていないようだ。
この日も居るかも知れないと運転手さんが言っていたがお休みだったらしい。タクシーに待って貰ってそそくさと写真を撮らせて頂いて退却した。残念ながらその後お会いする機会は無いまま時が過ぎてしまった。
大型の丸鋸エンジンカッターが現役で使われていた。カッターを上下して手前の架台のハンドルを回すとエンジン駆動のカッターが回転し、ハンドルでレールの上を走行させるらしい。
カッターの上下ストロークが大きいので一列毎に切り下げて、断面が縦長になるように採掘しておられる。房州石は二枚分の厚さで採掘して後で二分割するので少しやり方が違う。
結構な数のストックを持って居られる。50本くらいの注文を貰ったらしいと聞いたので、この中から選んで仕上げ加工をするのだろう。

丸鋸の加工目が残る切断面。野蒜石と似た(基本的に同じ地層を採掘しているが地域名が付けられている)岩相。野蒜石でも通るのだろう。
地面から起こされた破断面の様子。
壁面は丸鋸の歯の跡が深い。更に奥に掘り進む場合はこれをいったん綺麗に均すのだろうが大変な手間だと思う。
カッター目の残る地肌は白く美しい。良いものを見せて頂いた

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