2019年10月9日水曜日

栃木市岩船町鷲巣:鷲神社

残り一か月となり、そろそろ受け付けも始まりそうな岩船町での「県外岩石観察会」の下見に今回は一人で出掛けた。「鷲神社」は岩舟山よりはやや北に位置するが地層は全く異なるチャートの山で、比較的最近までチャートが採掘されていた。神社は戦国時代に建立されたと伝わる歴史の古いもので、境内も無人ながら整備されて落ち着いた佇まいである。
ここを訪ねたのは歴史的な経緯から、鳥居に岩舟石が使われている事と、伊豆の凝灰岩質石材が入っている事を期待してのことで、狙い違わず、両方を確認する事だった。

二の鳥居と境内のたたずまい。

左手は能楽堂。綺麗に整備されている。参道の敷石と階段は岩舟石。

燈篭の一部は、伊豆南部の凝灰岩質石材が使われている。文久三亥(1863)、年明治四(1871)年と十(1882)五年のものが伊豆の石材で、大正九年のものは白河石。

伊豆の石材は二種類。何れも緑色凝灰岩だが、一つは細粒の緑色凝灰岩で、他の一つは粒状の組織が目立ち、小豆色の小岩片を含むのが特徴の凝灰岩。



石垣のチャートと、その上の玉垣の岩舟石の画像。大正十二(1913)年の建立。

手水鉢:明治四十一(1908)年十一月の岩舟石

手水鉢に使われている岩舟石は結構粗粒のものが多い。

拝殿の奥には多数の岩舟石を用いた岩祠が並んでいる。

前の画像の一番奥は稲荷神社だが、その前に比較的細粒の凝灰岩を用いたお狐様。

実は、一番最初の画像に写っていた二の鳥居は岩舟石を用いているのです。一部補修されているものの、現存する唯一のものかもしれない。

観察会の下見用として歩いた領域。最初に行った時のコースは消えて、フラッグのみが残っている。今回の「鷲神社:は地図の北端。観察会は赤の鎖線の楕円形で示した範囲になる模様。

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