2019年7月17日水曜日

花崗岩の「石目」補足

今日、たまたま茨城県桜川市真壁町外れの抜け道を走った際に、2015年の博物館の調査で見学させて頂いた石材工場の脇を通り、真壁付近の花崗岩石材の「石目」を2015年に撮影していた事を思い出した。

この付近は、最初の図に示す様に長尺の石材が取れる処で、画像の石材の断面は、ほぼ118 cm の正方形です。この様な長尺が取れるのは石材に粘りが有ると云うか、梁の曲げなのである程度引張にも強いと云う事だと思う。
二ヶ所の石切り場の石材画像を見ながらやや顕著な「石目」の画像をご紹介します。尚、矢穴を切って割るような石目はこれほどはっきりはしていない。教えて頂くと確かに!と思うのだが、写真に取ると何処が石目なのか判らなくなるので笑ってしまう。微妙な光の角度等で見えるものらしい。



その石切り場の風景。真壁の街からこれを見ると小さな露頭の様に思えるが、実に広い石切り場です。

花崗岩は、石目の方向に逆らわない様に割ればかなり平滑な破面を呈すのですが、所々に在る顕著な「石目」に当たる部分で割ると破面にこの様な段差が現われます。

別のより細粒の石切り場の見本石材で、手をスケール代わりに観て下さい。この細粒の花崗岩は「糠目:ぬかめ」と云います。

ここの石切り場には節理が顕著に観察されます。茨城には「太刀割り石」と云う天然記念物が有って。大きな花崗岩がすっぱり真っ二つに割れていて刀で切った様に平らな断面なのでそう呼ばれていますが、この石切り場も、真っ直ぐな節理が縦横無尽に走っています。この中から大きな均質の石材を取り出すのは大変な石目を読む力が必要の様です。

前の画像の表面を横から見ると安山岩等でも良く観察される板状節理の様な部分が見えます。先程の石目の段差と同じ様な発生機構なのかもしれません。

石目の中には、この様に脈状に鉱物が観察される場所もあります。

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