2018年11月7日水曜日

赤坂氷川神社の石造物

この処、毎週水曜日の午前中に、赤坂から六本木付近の表通りから裏通りまで坂道を中心に歩いている。坂の多い地形なので都市開発がされている割には、江戸時代の藩邸等の地割の関係で思ったよりも数多く、古い石垣類が残っているのに感心する。今日は「檜坂」から「氷川神社」で、伊豆の緑色凝灰岩を確認。石造彫刻も流石に優れたものが多く残っていて嬉しい。山王の大きな神社と異なり、「境内には至る所に江戸の年号が刻まれた鳥居、燈籠、狛犬が数多く残り、江戸の情景がそのまま残る、都内では珍しい神社の一つとなっています」と神社の案内に在るとおり、伊豆南部の凝灰岩質石材を用いた、石塀や階段部の高欄等も観察出来ました。

鳥居の根固めの「沓石」に彫られた龍の彫刻

年代や石工名は不明だが、古い時代の狛犬。

富士溶岩の上から威圧する狛犬は明治十五年六月十五日に奉納されているが奉納額の根府川石の一部が削られて読めなくなっている。作者は京極南紺屋町の石彫工木村藤◎(残念ながら岩に隠れてもう一文字が読めない)

境内とやや低い庭園部分とを分ける石塀には、粒状組織を持つ緑色凝灰岩と石灰質生物遺骸が豊富な下田付近の凝灰岩が使われていました。でもこの画像では全く判りませんね。

粒状凝灰岩の接写拡大図 目盛は 1 mm単位

石塀に使われた石灰質生物遺骸(化石細片)豊富な石灰質凝灰岩の切石

本殿前の小さな敷石に観察された石灰質凝灰岩の化石細片。目盛は 1 mm 単位

巴模様の階段の高欄。柱の部分は安山岩だが高欄部分は全て細粒の緑色凝灰岩です。

高欄の凝灰岩の巴模様の裏側は手作業の跡が残っています。高欄の奉納は明治十九年(1886)と刻まれています。

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