2018年7月10日火曜日

見沼低地東縁巡検の復習:鷺神社

 鷺神社本殿の基壇は、石材に似せたモルタル仕上げで、恐らく基壇に使われていた石材はそのままに表を化粧したものと推定するが、改修は昭和三十五年五月に行われた事が記録されている。様々な石材が使われていて、古い石材としては安山岩の切石が今尚用いられているが、拝殿の礎石には大谷石と思われる石材も有り、判断ミスを誘い易い神社である。拝殿の脇に小さな岩片が転がっていた。見慣れた下田付近の石灰質凝灰岩とは少し顔付が違うように思えたが拾い上げて、希塩酸を垂らすと見事に発泡する



改めて見直すと、直ぐ傍の木製の階段の下にも、石灰質の凝灰岩が在る

今日は別棟の境内社の基壇の石材の画像データが欲しかったのだが、見直してみるとその基壇の階段石の前にも石灰質凝灰岩の切石が置かれている。敷石に花崗岩が使われていると、時に汚れた花崗岩がこの石灰質凝灰岩に似て見える事が有るのだが、どうやらミスを割ける防御反応が正しい識別を妨害していたらしい

神社には元冶元年(1864)と明治三年(1870)の二つの手水鉢が在るが、明治三年のものには[かわうそ」と思われる動物の彫刻が施されている。石工:彫刻者は不明だが、堤防等に穴を開けてしまう「害獣」と思われる動物像が興味を惹く

本堂の右手に位置する境内社の基壇と礎石には、階段石の安山岩を除いて観察できる範囲で少なくとも四種類の石材が用いられている。階段石の手前の一本の切石と礎石部分の石灰質凝灰岩・基壇の主要石材である火山岩質の角礫が目立つやや強度の高い緑色凝灰岩・
基壇の笠石にはやや発泡した茶褐色の岩塊を含む緑色凝灰岩、そして残念ながら石質が良く判らない笠石以外の以外の敷石である

基壇の積み石に使われている角礫凝灰岩のやや小粒の石材を含む部分。画像の範囲には見えないが他の部分には斜長石の斑晶が目立つ安山岩が含まれているものもある

基壇の一番上の飾り石としての笠石には、発泡した茶褐色の岩塊が周りを細粒の凝灰質で鳥かもまれている。房総には、文字庚申塔がほぼ全てこの石材で造られた百庚申が在る(青面金剛は緑色凝灰岩)

埼玉の神社には、房総半島と比べるとややコンクリート製の石碑や構造物が多い。これは幟旗の支柱の例だが残念ながら鉄筋がむき出しになって居る。昭和35年(1960)の建立である。残念ながらこの時期のものは薄肉では耐久力が不足しているものが多い

本殿背後の境内社には緑色凝灰岩の石材を用いた大六天様や水神宮等が祀られていたがその中に一点、表面の文字が全く読めないものが鎮座していた。これも伊豆の凝灰岩の様だ。

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