2017年4月13日木曜日

銚子砂岩の風景(8) 銚子市外川町の砂岩

銚子は紀州と非常に縁の強い街です。その「縁」は単に交易による縁といった事ではありません。ここでその詳細を述べるには紙幅が余りにも少ないので、詳しくは昭和十一(1936)年に「銚子木国会記念祭事務所」が発行した和装の「銚子木国会史」(国会図書館蔵:図書館送信参加管内公開)をご覧頂かなくてはなりません。
 最初の図は、「銚子木国会史」に掲載された崎山治郎衛門が描いたと言われる外川の街並みと漁港の図です。私費を投じて港の工事を始めたのは明暦二(1656)年。本浦の竣工が満冶元(1658)年、新浦の竣工は寛文(1661)元年と言われる。波を受け止める主要な部分には長崎鼻から安山岩を運び、街並みや防波堤の一部には隣接する日和山(波止山)から砂岩を採掘した。
 漁民の住む市街地については寛文元年に崎山治郎衛門が外川に居を移した後の事で、将来、人家が稠密した場合の有様を考えこの街並みの基本設計を行っている。この図と現在の街並みを比べて観て頂きたい。



 外川には宮城県石巻産の井内石が使われた「銚子漁業発祥地外川港 開祖 崎山治郎右衛門碑」が建てられています。

 さて、後は街中の様々な砂岩と安山岩を用いた石組の画像をご案内します。場所は敢て省きますので、街中を歩いてこのような風景を探してみませんか?また、もっと、面白いものを発見されたら是非ご教示下さい。
砂岩の表面が清浄に保たれていて色合いや、表面の模様が興味深いのですが、私有地に入らずに道路から観察して下さい。

風格のある落とし込みの石組ですね。

銚子の市街地にこのような小型の石材を組んだ石蔵が有りました。

貝化石が観察されます。漁港の防波堤の砂岩に注目です。



砂岩礫と安山岩礫が組み合わせられた石垣。砂岩の穴は、現生の穿孔貝の巣穴の跡です。採取した時に汀近くにあったのでしょう。

野面積の石垣は野趣豊か!



風化の造りだす模様も意外と面白いものです。次回は、川口町の散策コースです。

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