2015年10月27日火曜日

貝殻細片を含む砂岩質石材について

8月10日から26日に掛けてこのブログにUPした、伊豆産と思われた貝殻化石を大量に含む砂岩質石材についての記事を一時的に削除しています。
君津市内の神社仏閣の階段や外構に貝殻の細片が目立つ石材が多数使われています。「目立つ」と言っても、注意しなければ(慣れなければ)それとは気付かない程度なのですが比較的黒~濃い暗めの紫色の様な色調の中で風化により淡い灰色に変色した貝殻の小さな破片は、指さしてここにあるでしょ!とでも言わない限り、気付かない程度のものです。

たまたま、これは伊豆産とハッキリわかる、同様に貝殻細片を大量に含む礎石と共に、青色系統のグリーンタフと、やや硬いその石材は階段石や外構に君津市内の小さな、宮司さんも居られないような「村社」や「郷社」で見付かりました。貝殻片が多い地層は、その石灰分の含まれ方でかなり固さに差が出るので、伊豆の白浜層群でもこんなに固い石材が採掘されていたのだ!と感心していたのですが、調べていく内に、舟運の期待出来ないような山奥まで同じ石材が確認されるので、やや強度に掛ける白浜層群の石材より遥かに使用分布が多い事が気になり始めました。

君津市内には、高宕山が有りその近くの「石射太郎」山では、明治から大正にかけて黒滝層の砂岩が採掘されていた事が判っています。ここでの石材採掘の記録は殆どありませんが、石材を採掘した跡の断崖が普段は木々に遮られて見る事が出来ませんが、高く聳えています。
伝承で、この山で採掘された石材が東粟倉の愛宕神社の250段もの階段に使われているとされて居るので昨日この階段と、石射太郎山に岩質の調査に行って来ました。

愛宕神社の階段に使われた石材と、石射太郎山の採掘された石材には、外観形状や貝殻化石片の混入状況にかなり類似点を見る事が出来ました。幾つか難点もあり、暫くの間調査を継続し、後日この頁を復活できるように致しますのでご案内します。

画像は、今回の調査で見付けた変な化石です。弱酸でさっと表面の風化層を除去しています。

2016/6/16:追記:この化石はどうやら「コケムシ」のものだそうです。少し調べてみましたが理解できそうな相手ではないので解説は致しませんが多種多様な生物遺骸が石灰質の岩石を構成する事が判ります。貝殻細片などの生物遺骸を含む石灰質凝灰質砂岩の内、房総半島黒滝層に産出するものは「高宕石」のラベルにまとめています。まだ少数ですが順次画像を増やします。

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