2020年11月25日水曜日

房総半島南部の蛇紋岩

 先日、房総半島の内房の鋸山付近と、外房の勝浦市鵜原郷で、以前撮影した石造物の補足用画像を取りに回った時に、鴨川市内で何度も底を通過していながらこれまで気付かなかった古い墓地が有り、墓石以外の石造物も数多くあるのに気付いた。神社や古刹にも時折、古いものが残されているが、どちらかと云うと、地図にも名前が記載されていない様なこの様な墓地に、意外な歴史の証拠が見つかる事が有る。

日が傾く前に、次の目的地の写真を撮りたかったので半ば心急ぎながらの観察で、全部の写真を撮る事は出来なかったがその一部をご紹介したい。

鴨川市内では蛇紋岩は仏像等の石造物や墓石の築造例が大変に多い。地産地消の石材です。蛇紋岩の消費が何処迄広がっているのか興味を惹かれる。

何時もの様に最初にその所在地。今まで気付かなかったのは入り口付近に車が駐車していた為だと思う。そこに車が無ければ入れるがどうだろうか?他には駐車余地は無さそう。
六地蔵の半分。狭いけれど屋根掛の中に収められている。座像は比較的少ない。蓮華座の部分は蛇紋岩の風化色。鉄分が多いからね!
これは屋外に置かれた例。左は「明和(1765-1772)」、右は「寛政十二(1800)年」
三界萬霊塔。生きとし生けるもの全て、過去現在未来全てを慰霊すると云う
房総半島の嶺岡は「環伊豆蛇紋岩地帯」の陸上で見られる東端。出典は下記。加筆有
神奈川博調査研報(自然)2012.14.25-56
房総半島嶺岡帯の地質及び構造発達史
http://nh.kanagawa-museum.jp/files/data/pdf/res-rep/14/chouken14_025-056_takahashi_s.pdf

房総半島の内房:保田付近から嶺岡の凹地帯を通る蛇紋岩の分布図。出典は下記。加筆有。
地学雑誌 第122巻 第8号 375-395ページ 2016年
巡検案内書 葉山―嶺岡帯トラバース 高橋直樹他
https://www.jstage.jst.go.jp/article/geosoc/122/8/122_2016.0035/_pdf/-char/ja
案内書には露頭の地図も含まれている
2005年:もう15年前の日本火山の会のOFF会の記録に在る蛇紋岩の画像。蛇紋岩と枕状溶岩が接して露頭がありましたね。
15年前のOFF会の記録:火山の無い千葉で火山に思いを馳せる会
http://kazan-net.jp/chibajunken/chibajunken.html

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