2020年3月29日日曜日

弘化二(1845)年に建設された緑色凝灰岩の基壇

赤沼香取神社の社殿は昭和35(1960)年に建築されており、境内も清潔に保たれた神社で、改修に際して、本殿基壇に使われている石材も洗浄して頂いたものらしく、全体に美しく基壇を観察する事が出来ました。本殿基壇の裏側に寄付を奉じた方々のお名前と共に『奉造立弘化二巳年三月吉日』との刻銘が明瞭に観察される。石材が美しく保たれている事だけでも嬉しいが、この様に造立された時期が確認出来る事は特に嬉しいのです。この日は、バス路線の関係で、松伏町の二ヵ所の神社と、春日部市のこの赤沼付近と一ノ割~武里付近の神社有等10か所を巡る事が出来たが、六ケ所で伊豆の凝灰岩質石材を観察する事が出来たが、距離が長く少々草臥れた一日だった。二日連続のFWで、改修後も以前の石材を使って居られる複数の神社に出会うことが出来たのは幸いでした。

図の左手、一段高まった部分(基壇)の石材が、火山角礫を含む緑色凝灰岩。比較的硬く風化にも強い。

基壇の笠石に刻まれた年号「弘化」

四隅は安山岩質切り石で縁取りをしている。笠石は私が勝手に「げんこつ」と呼んでいるやや風化した大きな暦の隙間を淡緑色細粒の凝灰質がしっかりと埋めている石材で、礎石や、文字庚申塔等に良く用いられる石材。

含まれる石材中の角礫の大きさはさまざま

右手のスケールは 17 cm

杏仁構造を持つ火山岩が必ず観察される。

杏仁構造部分の接写拡大図。少し焦点がくるってしまった。接写用のステーを使わなかったのが失敗。玄武岩溶岩等の既報に、沸石や石英成分が空洞を埋めたもので、溶岩中の結晶とは異なり、角ばらず白い部分の外形が緩い曲線を示すのが特徴。熱水の影響を受けた事が判る。

昨日のコース。自宅を7時前に出て終わったのは15時頃。四角い部分のデータは赤沼香取神社のポイント。旗のマークが無いのは立ち寄ったが、凝灰岩の石材が見つけ出せなかった場所です。

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