2019年7月1日月曜日

なんだこりゃ! 杉戸町倉松・香取神社社殿基壇の石材

素人に石材の岩相分類は難しい。2015年に一度訪問して、この時は境内に(②)の石材がが大量に使われていて驚き、正直、他の石材は余り興味を惹かれなかった為か、観察記録にはこの石材だけを記していた。但し、階段の脇石③は面白いと思った記憶があった。

 杉戸町は、比較的神社に得る夷石材が残っている例が多いので、途中でこの街の八十数か所の神社を総当たりする事に方針を変えて、Googleの画像で整地済で凝灰岩が境内にも無いと判断された19ヶ所を除外して61ヶ所を回り31ヶ所で凝灰岩質石材を特定出来た。千葉県野田市に次ぐ観察例が積み重なった。

先日、杉戸での調査の愛護の日に、直ぐ近くの神社を訪問した帰途に、久し振りに立ち寄って何か見落としが無いか見回り、最近多用している望遠レンズを使って観察すると④、⑤ ⑥に気付いた。④は別にして、⑤は良く観る石材だが、⑥の中の岩塊からこれは⑤と同じ(礫が少ないが)類のものと判断された。細長い刷毛目は、圧密レンズのユータキシティック構造にもみえるのだが、別の画像(⑨)で答えが行き詰ってしまった。さてこのレンズ状のものは一体何なのでしょう?



② 数多くの伊豆下田産の石灰質生物遺骸が豊富に観察される凝灰岩が当時の観察例としては驚異的に大量に敷石として採用されていて驚いた記憶

③ 階段脇板に使われた安山岩~玄武岩の流理模様が真っ直ぐに伸びているのを見て、埼玉はこの手の安山岩(~玄武岩)質石材が多いので、これは産地を探す時に手掛かりになるかもしれないなどと思っていた。これを実に薄く剥がして薄板の状態で使う例が時々観察されるのです。

④ 本殿亀腹に使われた安山岩の側面に刷毛で履いた様な模様と異質岩塊が気になり、望遠レンズを持ち込んで撮影してみた。

⑤ 少し風化が進んでいるが、礎石や文字庚申塔に良く使われる私は個人的に「げんこつ」と呼んでいる茶褐色に風化した大きめの火山岩礫の隙間を細粒の緑色凝灰質が埋めている石材が使われていた。

⑥ 均質で大形なので白色系の安山岩と思っていた石材にも、目視では判り難い基壇の比較的大型の石材にも刷毛目が見えて、しかも大きな茶褐色の異質岩塊が有るのが観察されて、おやこれも凝灰岩かと気付いた。

⑦ 望遠で精一杯拡大して見ると凝灰質の圧密レンズ(ユータキシティック構造)の様に見える。礫が少ないとレンズが形成される事が有るのかと半ば納得した。

⑧ 礫の傍で、普通ならレンズが変形するのに(礫は圧密されないので)変形が観察されないのが気になった。

⑨ 一枚の石材の中でレンズ構造の向きが別の一群が見付かった。

以上

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