2019年1月25日金曜日

秋間石と多胡石を訪ねて:安中市と旧吉井町 (2)

 秋間石の石切り場跡は比較的アクセスし易い「雉子ヶ尾峠」にあります。我々は少し北側の坂を下り道路のやや広い部分に車を置き、峠に近い切通しにある登山口から入りました。最初の部分は、只でさえ急傾斜の道路に、凄まじい量の落ち葉とその下に隠れたドングリや石ころで滑り易く難儀しました。付近は梅で有名らしく沢山の梅の木が植えられています。
 巨大な崩落崖のある風戸峠付近から石尊山・御殿山から御岳山・雉子ヶ峠・浅間山・天神山と、地質は少し変わりますが、西北西から東南東に連なる「秋間丘陵」が続きます。秋間層上部の「輝石安山岩,凝灰角礫岩,凝灰岩」からなる記号“Au”のすぐ下に、秋間層下部層の最上部に相当する「茶臼山溶結凝灰岩部層」の輝石安山岩溶結凝灰岩を採掘したものが「秋間石」です。この部分は1/5万「榛名山」の領域なので、興味のある方は当該地質図か、群馬県立自然史博物館から紹介されている「秋間層の溶結凝灰岩」を参照下さい。

山頂から少し西側に石切り場らしい場所に下るスペースがありますが、かなり危険な場所なので必ず複数での行動をすべきです。崖はこの様にナイフで切った様にスパッと切れています。群馬県立自然史博物館の文献では秋間石の最大の石切り場とあります。

切れた断崖を殆ど真横から見るとこんなに滑らかです。

崖から少し離れてみると滑らかさが良くお判り頂けると思います。表面を詳細に検討すると、付着物や変色の状態から人工的に切った面では無く断層の様です。断層面は複雑に交差しています。

表層に近くなると当然の事ながら割れ方は不規則になります。

所々に、この様にステージ状になった場所が有ります。足元はズリが堆積しており、落ち葉に隠れた穴や凹凸があり、しばしば転倒しそうになります。

ピンボケの笹を写したような画像ですが、尾根筋のギリギリの位置まで実は石を切っています。左手の斜面の上は幅1mも無い尾根です。右手にズリがあります。

ズリはこのような状態です。私のハンマーの柄の長さはざっと 32 cm です。

岩相は、芦野石に似ていると云えば多少は似ているかもしれませんが、溶結レンズが全く異なります。ぼやけた筋状のやや濃色のものが観察されます。

スケール無で手持ちで接写してみたものがこの画像です。石材は酸化状態に拠りもっと赤味を帯びたものも有る様です。

この場所で調査した範囲は、せいぜい東西方向で 800 m 程度の範囲です。GPSを持ったまま調査すると線が重なって訳が分からなくなるので途中でリュックとGPSは置いて行動します。峠の東側の364m峯の南側にも大きな石切り場跡が在るらしいのですが、ゴルフ場との境界部が切り立っていて探し出せませんでした。

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