2018年11月30日金曜日

GVP火山活動情報の概要: 11月21日⇒27日;21火山

これは、スミソニアン博物館の“GVP”で公開された各地の火山活動情報の概要を御案内するものです。添付画像は主として火山観測用ライブカメラ画像から取得したものをご紹介していますが、火山観測機関の活動報告書から抜粋引用したものもあります。

New Activity / Unrest
Fuego  | Guatemala  | 342090 |  3763 m
ここ数日の噴火の際に、衝撃波が生じ半径 20 km 以内の家屋を揺るがせています。噴煙は山頂火口の火砕丘の上空 1.3 km に達し、風下の 8~ 12 km の地域に降灰をもたらしています。白熱岩塊が 150 m の高さまで放出され、複数の峡谷を長距離に亘って転落し植生領域に達しています。24-25日には毎時 12-15 回の小規模から中規模の噴火が続き、噴煙は 1.1 km 上昇し、衝撃波は相変わらず建物を揺らし、降灰も報告されています。
26日には強い爆発が起こり、噴煙は 1.2 km まで上昇、半径 25 km 以内では衝撃波を感じ取り、爆発音が聞こえ、その中の幾つかの爆発音は 40 km 離れたグアテマラ市まで聞こえました。27日も爆発は毎時 10-15 回の頻度で発生し、噴煙は 1.3 km 上昇しました。白熱岩塊は 200 m の高さまで放出され様々な方角に岩屑雪崩を起させました。降灰は風下の地域から報告されました。

Karangetang  | Siau Island (Indonesia)  | 267020 |  1797 m
25日に噴火が有り、噴煙は火口縁の上空 500 m まで上昇しましたが天候が悪く噴煙は良く見えませんでした。航空カラーコードは「オレンジ」に、警戒レベルは“1-4”段階の“2”に引き上げられました。

Mayon  | Luzon (Philippines)  | 273030 |  2462 m
21-26日の間、水蒸気の白煙が時折、750 m の上空まで放出されました。火口の火映が夜間には観測され、26日には2回の水蒸気爆発が観測されました。
爆発では噴煙は 300-500 m 上昇しました。警戒レベルは“0-5”段階の“2”のままで、半径 6 km 以内は立入禁止です。

諏訪之瀬島  | Ryukyu Islands (Japan)  | 282030 |  796 m
16-22日の間16回の爆発が御岳火口で記録され、噴煙は最高 2 km 上空まで上昇し、噴石は火口から 300 m まで放出されました。降灰は17日に、風下の 4km の範囲内で観測されました。警戒レベルは“5”段階の“2”です。
Veniaminof  | United States  | 312070 |  2507 m
20-21日の夜間に氷に閉ざされたカルデラからの噴煙が急激に増加し、航空カラーコードを「レッド」に、警戒レベルを“4”段階の“4:Warning”に引き上げられました。噴煙は高度 4.6 km 以下で南東に 240 km まで広がりました。21日も引き続き噴煙が噴出している事が観測され、 400 km まで広がった事が観測されました。22日には、夕刻に瞬間的な短い噴火が観測され、噴煙が高度 3 km に達し、高度の低い噴煙のたなびきが南方に 100 km まで伸びました。噴煙が停止し、航空カラーコードは「オレンジ」に、“4”段階の“3:Watch”引き下げられました。衛星画像では夜を徹して熱異常が観測され、火映がウエブカメラで捉えられ溶岩の流出が想定されましたが、噴煙に遮られて観測出来ませんでした。溶岩の流出は27日も継続しています。

Ongoing Activity
桜島 | Kyushu (Japan)  | 280080 |  1117 m
19-22日の間に4回の爆発が観測され噴煙は火口縁の上空 1.6 km に達しました。噴石は火口から 500-700 m まで放出されました。20-21日の間は9月20日以来初めて夜間に火映が観測され、26日まで続きました。警戒レベルを“5”段階の“3”。
Dukono  | Halmahera (Indonesia)  | 268010 |  1229 m
21-27日の間噴煙が高度 1.5-2.1 km に達しました。

Ebeko  | Paramushir Island (Russia)  | 290380  |  1103 m
15-23日の間、噴煙が高度 3.2 km に達し、航空カラーコードはオレンジを維持しています。

Ibu  | Halmahera (Indonesia)  | 268030 | Elevation 1325 m
26日に噴煙が高度 1.8 km まで上昇した事が観測されました。警戒レベルを“1-4”段階の“2”。

Krakatau  | Indonesia  | 262000 |  813 m
24、25日及び26日に合計4回の爆発が観測され、噴煙は 300-600 m 上昇し、最後の爆発では濃い黒い噴煙を排出しました。警戒レベルを“1-4”段階の“2”。

口永良部島  | Ryukyu Islands (Japan)  | 282050 |  657 m
この間、新岳火口では時折噴火が発生し、噴煙が火口縁の上空 2.1 km まで上昇しました。警戒レベルを“1-5”段階の“3”。
Merapi  | Central Java (Indonesia)  | 263250 |  2910 m
溶岩ドームは、前の週よりはやや緩やかな日量で 2,600 立方mの勢いで成長を続け、21日の観測ではその総量は 308,000 立方mに達しました山頂から様々な濃度の噴煙が山頂から最大 12 m まで上昇し、。警戒レベルを“1-4”段階の“2”。

Pacaya  | Guatemala  | 342110 | Elevation 2569 m
24-27日の間、ストロンボリ式噴火が続き、少なくとも三か所で北西側山腹を溶岩流が流れ下っています。26-27日には小規模の岩屑雪崩も南東側斜面を下りました。

Rincon de la Vieja  | Costa Rica  | 345020 |  1916 m
27日に熱水(hydrotherma)爆発が発生し、水蒸気と火山ガスの噴煙が火口縁の上空 600 m まで上昇しました。

Sabancaya  | Peru  |  354006 |  5960 m
19-25日の間、連日平均20回の噴火が発生しました。噴煙は火口縁の上空 2.7 km まで上昇しています。22日に観測した亜硫酸ガスの排出量は日量で 3,000 トンです。
Sangay  | Ecuador  | 352090 |  5286 m
⇒8月頃の活動の報告なので原文を省略しましたが、エクアドルの最新報告では、この火山活動は2015年以来、2-3ヶ月間は激しい活動期が続き、その後 9-13ヶ月間休息期間が続くサイクルが繰り返していると記されています。今の処、噴火の影響は火山周辺に限定され人々への脅威は無いと判断されています。11月21日付けの報告書に掲載されていた噴火画像です。
Santa Maria  | Guatemala  | 342030 |  3745 m
24-27日の間溶岩ドームからの噴煙は 700-800 m に達し、一部の地域から降灰が報告されました。岩屑雪崩が山腹を下りました。

Semisopochnoi  | United States  | 311060 |  1221 m
10月31日以来活動は全く観測されていない。11月1日に衛星経由の地震観測データは故障でデータは得られていないが、空振観測でも以上は認められないので、航空カラーコードは「イエロー」に引き下げられました。馴染の無い火山なので9月の衛星画像ですが・・
Sheveluch  | Central Kamchatka (Russia)  |  300270 |  3283 m
16-17日と19-20日に衛星画像で熱異常が観測されており、航空カラーコードは「オレンジ」を維持しています。
⇒ここ暫く悪天候が続き、ライブカメラ画像は殆ど何も見えない状況がッすいています。

Turrialba  | Costa Rica  | 345070 |  3340 m
22日の噴火では噴煙が火口縁の上空 100 m まで上昇、翌日は頻繁に噴煙を生じました。23-25日には時折ストロンボリ式噴火が起こり、火山弾を放出し火口付近に堆積しました
26-27日には噴煙が 500 m じょうしょうし少量の火山灰が観測されました。
⇒長年の噴火の継続で荒廃した植生地域の状態を下記の最上段の下記表題をクリックするとご覧になれます。
“Recorrido Comparativo en el Flanco Noroeste del Volcán Turrialba. Nueve Años de Destrucción Acelerada. (Basado en trabajo de campo del 09 de octubre de 2018”
報告書は勿論、日本語ではありませんが、2009年10月と2018年11月の画像で比較していますので文章を読まなくとも大まかな理解は出来ると思います。一番最初に表示される山腹の画像の中の番号が、夫々の画像のインデックスとなって居ます。
http://www.ovsicori.una.ac.cr/index.php/vulcanologia/informes/informes-de-campo
この報告書の中から火口付近の比較画像をご紹介します
その他の火山画像
メキシコ:Popocatepetl_181126_175600
カムチャツカ半島:Bezymianny_Kamen_Klychevskoi_181130_002902
以上

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