2018年6月16日土曜日

GVP 火山活動情報の概要:6月6日⇒12日;23火山


New Activity/Unrest

Fuego  | Guatemala  | 34090 | Elevation 3763 m
66-12日の間、3日から始まった今回の一連の噴火活動の際に発生した火砕流の堆積物が大量に堆積した後に豪雨に襲われた為に、高温で、豊富な水蒸気と硫黄臭を持つ大規模なラハールがしばしば発生し、66日のラハールは Pantaleón 川に注ぐSanta Teresa”,
Mineral”,“Taniluyá峡谷や“Honda”峡谷を流れ下り救助活動の停滞を招きました。ラハールは幅: 30-40 m 、深さ: 2-5 m の規模で直径: 2-3 m の岩塊や木々を伴いました。
CONRED ( Coordinadora Nacional para la Reducción de Desastres ;国立防災(減災)共同機構:コーディネーター)”の9日の報告の拠れば、道路上の堆積物は毎日 150 mの割合で除去されつつあり、堆積物の表面温度は 150 ℃に達しています。驚異的なラハールは幅 40 m ,深さ 5m の規模を持ちSeca, Mineral, Niágara, and Taniluyá等の峡谷を大きな岩塊や樹木を伴い流れ下っています。610日に発生した大型のラハールは Seca, Mineral, Niagara, Taniluyá, and Ceniza峡谷を幅 35 m ,深さ 3 m の規模で、直径 1 m もの巨大な岩塊や樹幹や枝葉を含んでいました。11日にはSeca and Mineral 峡谷を幅  40 m 深さ 3 m の規模で、12日には幅 20-45 m , 深さ 2-5 mの規模でCeniza and Mineral川を流れ下りました。6-11日の間には毎時 6-11 回の爆発が発生し、火山灰を含む噴煙は火口縁の上空 1.4 km に達しました。岩屑雪崩 Las Lajas and Santa Teresa峡谷を下りました。爆発の際には地域の住居などを震わせました。680820時には火砕流がLas Lajas and El Jute峡谷を流れ下り、生じた火山灰を含む噴煙は 6 km 上昇しました。爆発的な活動は 11-12日には増加し、濃密な火山灰を含む噴煙を 1.3 km 上昇させました。火砕流はSeca峡谷を流れ下りました。 CONRED 12日の報告では、3日の火砕流で亡くなった方々は 110 名、行方不明者は 197 名に上ります。

Great Sitkin  | Andreanof Islands (USA)  | 311120 | Elevation 1740 m
過去5日間で地震活動は活発化しており、6101139時には、地震波形で短時間の水蒸気爆発を観測し、航空カラーコードを「イエロー」に引き上げました。空振等の異変や気象上の雲が高度 2.4 km に達しており、この為に噴煙等も観測されていません。⇒Thursday, June 14, 2018, 12:20 PM AKDT (Thursday, June 14, 2018, 20:20 UTC) に公表された最新の火山活動情報では、水蒸気爆発の後、地震活動は減衰し始め、衛星画像では異常は観測されていません。FBでは、この火山と周辺の歴史的噴火情報が在る火山の地図と、20171119日に火山の南西側 40 km 離れたAdakから撮影された画像を AVOのサイトから引用しご紹介しています。

Ibu  | Halmahera (Indonesia)  | 268030 | Elevation 1325 m
661206時に噴火が発生し火山灰を含む噴煙が火口縁の上空 500 m まで上昇しました。121750時の噴火では火山灰を含む噴煙は同様に 600 m 上昇し、警戒レベルは“1-4” 段階の“2”に引き上げられました。活動中の火口から半径 2 km 以内と、北側の 3.5 km 以内は立ち入り禁止です。

Kerinci  | Indonesia  | 261170 | Elevation 3800 m
610日に火山灰を含む噴煙が高度 4 km に達しました。

Manam  | Papua New Guinea  | 251020 | Elevation 1807 m
航空機パイロットからの報告に拠れば、610日、火山灰を含む噴煙が高度 1.8 km に達し他との事ですが、衛星画像では確認されていません。

Ruapehu  | North Island (New Zeal and)  | 241100 | Elevation 2797 m
65日の報告に拠れば、山頂火口での新しい温度上昇サイクルが始まり、529日から湖水温度が上昇し始めました。529日現在では毎日 “ 1 ℃ ”の割合で水温が上昇しており大量の熱水が湖に流れ込んでいる事を示す微動が増加しています。過去にもこのような熱サイクルが発生しており、今回の温度上昇が特異な現象ではありません。警戒レベルは「グリーン」のままです。⇒過去には12℃から40℃の範囲を12か月程度の期間中に変動した事例が有る様です。興味がある方は下記の2016年の報告を参照下さい。

Sierra Negra  | Isla Isabela (Ecuador)  | 353050 | Elevation 1124 m
IG”の報告に拠れば、マグマの移動を示す大きなマグニチュードと数の多い地震が発生しています。毎日の地震発生数は2016年の中頃から増え始め、過去10日間では一日当たり42回の発生数で525日には104回発生しました。この最大の発生数は2015年以来の新記録です。加えて、67-8日の間の24時間では合計48回の火山性地震、2回の長周期地震、3回のハイブリッド地震が発生し、その中でもM4.8の長周期地震は80715時に発生しました。地震の震央は火口縁に分布し、二つの“ NE-SW ”トレンドにあり、最初の一つは火口の北端と西端に、二番目のトレンドは南側火口縁の北東側を通ります。観測データでは非常に大きな近くの変位が、周辺部よりもカルデラの南側の中心部で発生しています。

Ulawun  | New Britain (Papua New Guinea)  | 252120 | Elevation 2334 m
68日火山灰を含む噴煙が高度 2.1 km に達しました。

Ongoing Activity

Agung  | Bali (Indonesia)  | 264020 | Elevation 2997 m
51日から67日の間、この火山の活動は比較的活発でした。噴出物は主として水蒸気で時折火山灰を伴いました。一般的に傾斜計とGPSの示すデータは2017 年以降は長期的な収縮傾向にありました。然しながら、5月の第二週から隆起傾向が観測されるようになり、火口直下の 3-4 km にマグマが連続して蓄積していると思われます。低周波と高周波の地震がマグマの上昇を示しています。亜硫酸ガスの噴出量は日量で 190-203 トンに及び、衛星画像では火口内に熱異常が観測されています。噴出した溶岩の容積は 23 million cubic meters と、火口容積の 1/3 に及びます。6102214に発生した噴火では、火山灰を含む噴煙が高度は特定出来ませんでしたが西に広がりました。警戒レベルは“1-4”段階の“3”を維持しています。半径 4 km 以内は立ち入り禁止です。

Aira 桜島 | Kyushu (Japan)  | 280080 | Elevation 1117 m
この間に、南岳火口で8回の噴火が発生しました。夜間には火映が時折観測されています。火山灰を含む噴煙は、6101135時の噴煙が 3.5 km 上昇した霊を除き、火口縁の上空 2 km まで上昇しています。警戒レベルは“1-5”段階の“3”を維持しています
Ambae  | Vanuatu  | 257030 | Elevation 1496 m
5月から徐々に沈静化し67日に停止しました。警戒レベルは“0-5”段階の“2”に引き下げられ、半径 2 km 以内は立ち入り禁止です。水蒸気と火山ガスの噴出は継続し、周辺住民からは異臭の報告がされています。

Ambrym  | Vanuatu  | 257040 | Elevation 1334 m
67日の報告に拠れば、“ Ambryms Benbow and Marum ”火口内の溶岩湖は現在も活動的で、火山ガスと水蒸気の噴気を継続しています。警戒レベルは“0-5”段階の“2”に引き下げられましたが、永久的危険範囲と“Benbow”火口から 1 km 以内と“ Marum ”火口から 2.7 km 以内は立ち入り禁止です。

Cleveland  | Chuginadak Island (USA)  | 311240 | Elevation 1730 m
低レベルの懸念がこの期間も継続しており、地表面温度の上昇がほぼ連日衛星画像で捉えられています。地震活動や空振計では異常な活動は捉えられていません。11-12日には水蒸気の噴出が観測されました。航空カラーコードは「イエロー」を維持しています。

Dukono  | Halmahera (Indonesia)  | 268010 | Elevation 1229 m
66-12日の間、火山灰を含む噴煙が高度 1.8-2.1 km に達し様々な方角に広がった事が報告されました。

Ebeko  | Paramushir Island (Russia)  | 290380 | Elevation 1103 m
クベルトに拠れば、65日に火山灰を含む噴煙が東に 5 km まで広がった事が衛星画像で確認されました。航空カラーコードは「オレンジ」。

Kadovar  | Papua New Guinea  | 251002 | Elevation 365 m
610日に火山灰を含む噴煙が高度 1.2 km に達した事が報告されましたが、衛星画像では確認出来ませんでした。

Kilauea  | Hawaiian Islands (USA)  | 332010 | Elevation 1222 m
噴火活動は67-12日の間も継続しており、溶岩噴泉やスパッターを噴出する活動は、割目“8”に集約されており、“Leilani Estates”や“Lanipuna Gardens”方面に流れ“ Kapoho ”湾付近を高速で流れ続け新しい海岸線を構築しています。少量の溶岩活動が割れ目“ 16/18 ”でも時折見られます。格好付近でのマグマの引き込みに応じて“Halema`uma`u ”火口での火口の崩壊は続き、この一週間ほどで 100 m 程度陥没し、612日現在で最も低い地点は火口縁から 300 m 低い位置にあります。火口周辺では、水蒸気の噴煙が火口を取り巻く様に生じたクラックから発生しています。山頂での爆発はほぼ連日発生し、66日は1607時に、8日は0244時に発生し、火山灰を含む噴煙は 3 km の高度に達しています。9日には0448時にも爆発がありました。11日には0046時と0443時に爆発が発生しましたが、二回目の爆発の方が最初の爆発よりも強力でした。12日の0152時には比較的火山灰が少ない爆発が生じました。68日、1031時と1056時に12回の崩落が生じ、続いて M32. の地震が山頂で発生しました。赤い土埃が1050頃に観測されましたが直ぐに拡散しました。割目火口 8 からの溶岩噴泉は安定しており、610日には、三か所の非常に接近した噴泉が火砕丘の上空 35 m まで噴出していました。最も高い噴出高さは変化しますが、70 m を越えるものはありません。ペレーの毛髪やその他の火山放出物がLeilani Estates内に降下しています。溶岩噴泉は高速で移動する溶岩流を生み出しており、北東に流れ“Kapoho”火砕丘を回り、太平洋に流れ込んでいます。溶岩流の幅は 100-300 m で、周期的にオーバーフローし、ごく少量を溢れ出します。“Kapoho”湾で海に流れ込む溶岩は溶岩三角州を築きその規模は611日で 100 ヘクタールに及びます。“Laze”の噴気は海に流れ込む位置で生じます。強い温度上昇区域は目視可能な溶岩流の先端から 920 m に達し、溶岩三角州の先端は67日に見え始め、溶岩流が海洋底に流れ込んでいる事を示唆しています。報道に拠れば、ハワイ州の市長は68日現在で600件の家屋が破壊されたと述べました。⇒ハワイの噴火活動に関しては、画像を見るほうが遥かに理解を進める事が出来ると思います。是非下記のアドレスを「お気に入りに」登録して、画像や地図、動画などをご覧ください。Image courtesy ofHVO/USGS






Klyuchevskoy  | Central Kamchatka (Russia)  | 300260 | Elevation 4754 m
クベルトに拠れば66日に衛星画像で熱異常と火山灰を含む噴煙が確認されました。航空カラーコードは「オレンジ」

Langila  | New Britain (Papua New Guinea)  | 252010 | Elevation 1330 m
67日に少量の火山灰を含む噴煙が高度 3.4 km に達した事が観測され、10日には噴火により火山灰を含む噴煙が高度 2.1 km に達した事が観測されました。

Popocatepetl  | Mexico  | 341090 | Elevation 5393 m
66-12日の間、連日 19-34 回の水蒸気と火山ガスの噴出が発生しています。夜間には山頂火口に火映が観測されます。爆発的噴火はほぼ連日観測されその頻度は:2026 on 7 June; 0130 on 8 June; 1756, 1931, and 2358 on 9 June; 1724 on 10 June.11日の0220時の爆発では、白熱した噴石が放出されました。警戒レベルは「イエロー」

Sangay  | Ecuador  | 352090 | Elevation 5286 m
68日に高度 5.8 km に達する火山灰を伴う噴煙が観測され、西南西に 28 km まで広がり拡散しました。

Sheveluch  | Central Kamchatka (Russia)  | 300270 | Elevation 3283 m
クベルトに拠れば、65-6日に弱い熱異常が衛星画像で観測されました。航空カラーコードは「オレンジ」
以上

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