2017年9月27日水曜日

竹中工務店での「千年の甍」展

 私自身は、千葉県内のある古い時代の瓦に使われた粘土に興味が有って瓦やその整形や焼成工程を調べ始めたのだが、色々あって現在は調査も中断している。少しヒントが欲しくて見学に行ったのだが、美しい造形に惹かれてしまったので、軒瓦の紋様を幾つか御案内。http://www.dougukan.jp/special_exhibition/iraka
法隆寺若草伽藍の軒瓦で勿論復元品。



薬師寺西塔裳階(もこし)の軒瓦の復元品。



唐招提寺金堂の軒瓦の同じく復元品



大きな「しび」は唐招提寺金堂の平成大修理の為に造られたもので高さ119cm、重量は200kgと記載されている。

この製作工程のビデオを拝見したが、これだけの大きさになると、全体を粘土で組み上げるのに時間を掛け過ぎると、自然乾燥の状態が変化してしまい歪が出て亀裂の原因になると云うから凄まじい。

以下の画像は以前に「少し古い瓦」の項で紹介しているものだが、寄贈を頂いた古い瓦(現在のものとは厚みが異なるの)を大体厚みが10-15mm程度に切断し、切断面を軽く研磨して観察した折のもの。



岩石と同様に薄片を作って観察する手も無い訳では無いが、焼成時に構成鉱物が変化し易いので元の粘土の組成を知る手だてが無い。この断面を見ると粘土の錬りや焼成による変質の範囲等が判って面白いが、その先に進めなくて困っている。

0 件のコメント: