2017年4月3日月曜日

銚子砂岩の風景(2) 砂岩の顔

これは、友人たちに「銚子石」の魅力を御案内する為にFBに投稿したものを、そのまま転載したものです。従って、これまでに銚子砂岩に関して投稿したものと重複する部分があります。画像はクリックして拡大してご覧ください。

 犬吠崎の石切り場周辺の風景を見て頂いたが、一目惚れしそうな銚子石の顔をご紹介する。何れも超の付く美人揃いだ!
 銚子石の中でも、この犬吠崎の砂岩は特に肌理が細かい。浅海性の堆積物との事で基本的に砂泥互層なのだが、採掘されたのは比較的砂岩の層が厚い部分。

砂岩は房州石等の凝灰岩と異なり、基本的には安山岩などの採掘と同様に「矢」を使うので、この様に「矢穴」の加工から採掘が始まる。

矢穴の跡が残る切断面。大佐倉の旧浜宿河岸の元廻船問屋を営んで居られた旧家の石垣にもこの形状が有り直ぐに気付く事が出来た。(正面から撮影したら凹凸が少なくて矢穴が良く見えないのでもう一度出直す予定)

 浅い海での堆積と云う事から、砂泥互層の部分には「漣痕」が残る事が多く、干潮時の燈台下では容易に観察可能だが足場が悪いので注意が必要。

漣痕と共に、底生生物の生痕化石も観察される事が有る。

比較的大きな岩塊表面では、斜交層理を観察出来出来る事も多い。

また下図はスケールの置かれた上下でラミナの方向が変化している様に見えるが、断面の方向が異なる為でしょう。このような堆積構造は、少し風化したものが見易い。

 断層も幾重にも在るが、時にはこの様に興味深い判断面も観察される。かなり硬い部分だと思われる。

硬いと云えば、崖の表面にこの様に飛び出した部分を観察する事が有るが、これはおそらく石灰化等でやや硬くなったノジュールでしょう。偶にこの中に化石が含まれている事がある。このケースでは恐らく水の通り道の周辺が石灰化しているものでしょう。

タフォニーと呼ばれる風化が描き出す顔。透かし彫りの欄間の様で面白い。 

次回は「畳磯」

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