2016年11月1日火曜日

木更津市畑沢 浅間神社 (1/2):階段石・高宕石

木更津市畑沢の沖合はかっては良好な漁場が広がっていたのだが、漁場は埋め立てられ、現在は新日鉄がそこに立地している。神社に隣り合わせて「畑沢漁業組合解散記念碑」が在る。
その旧海岸に近い標高約55mの丘陵の上に浅間神社は立地しており、居住区からは長い階段を登らねばならない。畑沢浅間神社の本殿前広場には文久三(1863)年の銘が有る伊豆軟石(後述する)を用いた玉垣が残るが、そのやや下方に、石質を異にするこの56段の石段が現存します。



階段に用いられた石材を観察すると、石灰質の生物遺骸を含み、石材の断面形状も一般的な階段石の直方体とは異なり、背面を抜いて“L”字を伏せた特徴的な形状をしている。図はこの階段脇に他の石材と共に積み重ねられているもの。
高宕石の石切り場は急傾斜の丘陵地に立地する為に、石切り場から一般道までの間は人背に依って運びおろす必要が有る為に、背面を取り除くことで軽量化を図ったものと思われる。
断面形状の特異な点を強調するためにトリミングした。スケールは20cm。


この断面形状は階段の途中の、側板が倒れた場所でも確認できる。



階段下には「奉納 波岡村小鍛冶職 大森 大正十四年十月吉日」と刻まれた奉献碑が有る。

高宕石を含む房州石がまだ開発途上にある時期には、伊豆の凝灰岩質石材が大量に房総半島を含む関東一円に運び込まれ利用されていたことが考えられる。
この神社の北東方 約10km に位置する袖ヶ浦市の坂戸神社では伊豆石の階段とその石材のみが確認されており、現状ではこの神社が産出地から最も遠い需要地となる。

使われている石材とその想定される産地:石灰質凝灰質砂礫岩;高宕石(石射太郎山)
資料整理番号:No.122068-04A, 最新の調査時期:2016年10月26日
地理院地図10進座標系:35.349055,139.901158

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