2015年5月19日火曜日

鎌倉石 (13) 光触寺墓地脇の石切跡 A-1

光触寺の東側に広がる墓地の脇に二つの垂直に切り立つ崖が背中合わせに並んでいる。取敢えずその識別の為に、光触寺に近い西側を“A”、更に東側を“B”とさせて頂いた。考古学の調査資料を拝見していると、この両者共に比較的大規模な石切場として認識されており、その一部に鉾に掘り込んだ石切り跡が残るとされている。但し、現状では崖面の風化の為に表面に採掘による切削痕は残されていない。
私は、実はこの崖全体は成因は不明だが石切りでは無いのでは?と考えている。古い時代の石切跡の可能性を否定する材料は殆ど無いのだが、地質図で確認すると、この地域の表層地質は浦郷層という事になっている。
この上の画像を良く見て頂くと下の方の灰色と白の清掃した地層の直ぐ上で実は地層が真横に切断されている。これが浦郷層と下位の池子層との間の平行不整合ではないかと思っている。その事と、上位の地層には妙に不均質な部分も在り、泥岩の偽礫も混ざっているので、石材としては比較的良質とは言えない様に感じている。
勿論、此の地のやや北に位置する十二所神社の石垣には泥岩の偽礫を含む石材が使われているから、可能性を全く否定する事は出来ないが少し柔らかすぎる様に思う。泥岩偽礫は、例えば下図の様に存在する。 十二所神社の石垣については後日ご紹介する。

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