大正初期に地質調査所から発行された「千葉県産建築石材試験報文」によれば、此処で産出した石材は、鋸山に産出した房州石の中一部の石材に似ていた様ですが、実は堆積構造が全く異なります。
観察会の日に、街中の石材を観察しましたが、大部分の石材は鉄分が酸化して赤茶けた色になって居ましたが、一ヶ所だけ錆色を示さない石材が家屋の一部に使われていました。
家屋の腰回りに使われている状況。
スコリアが目立つ部分と泥質に見える部分とが混在している。
スコリアが目立つ部分の拡大。
スコリアが目立つ部分と泥質主体の部分が成層している状態。
泥質の部分には石灰質の生物遺骸と思われる部分も含まれています。錆色が見えるのは打ち込まれた釘です。
斜めの堆積構造が目立つ房州石では、このような生痕化石を観察する機会はほぼありませんが、それ以外の房総半島産の凝灰岩質石材は大体において平行な堆積なので生痕化石が模様が観察されます。三浦半島の「佐島石」も生痕化石が目立つ石材です。
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