2018年5月31日木曜日

越谷市東町:伊南理神社本殿礎石:5月31日

今日は越谷南部の草加との境に近く中川沿いの東町に鎮座する「伊南理大神」を訪問。

“Google”の画像チェックで、伊豆の石材が使われている可能性が高いと思っていたのが当たり!拝殿の方は大谷石で改修されていたが、本殿の方は全周に渡り刷毛目と呼ばれる斜層理の見事な伊豆の軟石が使われていた。鋸山に産出する房州石にも似るが、これが、伊豆の石材なのです。



床下の石材は風化から逃れているので大切な観察ポイントです。

必ずしも斜めの模様とは限らないのです。

伊豆の石材である証拠写真。判らないよね!礫の色の組み合わせがポイントです。

拝殿と本殿を結ぶ渡り廊下の下の本殿側を見た図。この場所以外は今はコンクリートで固められているが(2枚目の画像の様に)、この石積みが本来の形なのだろう。笠石の材質は不詳だが、間知石は写真には失敗したが何時もの角礫を含む凝灰岩。

今日はこのまま川沿いに元荒川と中川の分岐点まで遡る積りだったが、ぽつぽつと雨が落ちて来たので、越谷市と吉川町を結ぶ「吉越橋」を歩いてフェードアウト。

少し戻って、神社の傍の水道橋に併設された歩道橋を歩きたかったが今回は諦めた。次回は此処を渡って越谷入りし上流を目指そうと思う。

最後の花は小さな花だったが不思議な形をしているものですね。

GVP 火山活動情報の概要:5月23日⇒29日;15火山

これはスミソニアン博物館によるGVPの火山活動情報の概要を御案内するものです。原文は下記に有ります。毎週木曜日の早朝0700~0800時頃に更新されています。
http://volcano.si.edu/reports_weekly.cfm

New Activity/Unrest
Kilauea  | Hawaiian Islands (USA)  | 332010 | Elevation 1222 m
⇒大方の情報はご覧になっておられると思われるので、長文の報告はその殆どをカットさせて頂きますが(最近、FBでの文章の書き込み欄が凄く小さな窓になってしまい誤字脱字のチェックが非常に困難になって居ます)溶岩の到達位置図などはUSGSの下記サイトを参照下さい。
https://volcanoes.usgs.gov/observatories/hvo/hvo_multimedia.html

元画像のサイズが大きいので中心部をトリミングして表示。下図は圧縮した全体図

“F 21”からの溶岩流は地熱発電所内に流れ込んでいます。(地図記載有)。“F 7”からの溶岩流の流出が26-27日に活発化し、現在は“F 24”も開口しています。
28日にはオーシャンエントリーさせていた火口は活動を停止し、僅かに残った溶岩が時折流れ込む程度です。報道に拠れば少なくとも53軒の住宅を含む94件の建物が5月29日までに破壊されています。

Klyuchevskoy  | Central Kamchatka (Russia)  | 300260 | Elevation 4754 m
5月19-20日と24日に熱異常を観測。航空カラーコード「オレンジ」

Merapi  | Central Java (Indonesia)  | 263250 | Elevation 2910 m
5月23日1349時,継続時間 2分の水蒸気爆発発生。噴煙到達高度は天候不良の為不詳。24日0256時噴火発生。噴煙は火口縁上空 6 km に達した。鳴動音が観測された。1048時に継続時間 2分間の水蒸気爆発が発生し、噴煙が 1.5 km 上空に到達。警戒レベルは“1-4”段階の〝2”。山頂から半径 3 km 以内の住民は要避難。

Piton de la Fournaise  | Reunion Island (France)  | 233020 | Elevation 2632 m
4月27に開始した割れ目噴火は5月29日まで継続。火山性微動は緩やかに減少を続け、ほぼ低いレベルで安定。24日の観測では溶岩はほぼ溶岩チューブの中を流れ、主火口の限られた範囲に火映が見られる。


Ongoing Activity

Agung  | Bali (Indonesia)  | 264020 | Elevation 2997 m
5月23-29日の間は霧の深い日が在ったが、時折、火口縁の上空 400 m まで白い噴煙が上昇するのを観測。29日0539時に噴火により火山灰を含む噴煙が火口縁の上空 500 mまで上昇。警戒レベルは“1-4”段階の“3”。立ち入り禁止区域は半径 4 km 以内。

Aira 桜島 | Kyushu (Japan)  | 282080 | Elevation 1117 m
5月21-28日の間、南岳火口で21回の噴火と19回の爆発を観測。火山灰は火口上空 1.3 km まで上昇。警戒レベルは“5”段階の“3”。

Ambae  | Vanuatu  | 257030 | Elevation 1496 m
報道に拠れば5月18日に噴火しその後も弱い活動が続いている。また、広範囲に広がった降灰が給水、シェルター、住民の健康等に大きく影響している。
警戒レベルは“0-5”段階の“3”。住民は活動中の火口から半径 3 km 以内の立ち入り禁止。

Dukono  | Halmahera (Indonesia)  | 268010 | Elevation 1229 m
5月23-29日の間、火山灰を含む噴煙が高度 1.8-2.1 km に達した。噴煙は28日には北西に 225 km に達した。

Karymsky  | Eastern Kamchatka (Russia)  | 300130 | Elevation 1513 m
5月19-20日に熱異常が観測された。航空カラーコード「オレンジ」

Langila  | New Britain (Papua New Guinea)  | 252010 | Elevation 1330 m
5月23日、26-28日に火山灰を含む噴煙が高度  2.4-3 km に達した。

Mayon  | Luzon (Philippines)  | 273030 | Elevation 2462 m
5月23-29日に水蒸気の噴煙が火口縁の上空  250-300 m  に達した。夜間には火口の火映が観測された。警戒レベルは“0-5”段階の“2”。

Reventador  | Ecuador  | 352010 | Elevation 3562 m
5月23-28日の間、爆発を示すものや、長周期微動、火山性微動等の高いレベルの地震活動を観測した。5月23日には水蒸気、火山ガス及び火山灰を含む噴煙が火口縁の上空 1.5 km に達し、26日には 300 m 上昇したが、殆どの日は視界が遮られていた。溶岩流は北東側山腹を 900 m 前進。27日には白熱岩塊が様々な方角に 800 m 以上転がり落ちるのが観測された。火山灰を含む噴煙は火口縁の上空 3 km まで達し、火山の西側 85 km の地点でも降灰を観測した。

Sabancaya  | Peru  | 354006 | Elevation 5960 m
前の週と同様に活発な活動が続き、21-27日の間は連日平均35回の爆発が発生した。


Sheveluch  | Central Kamchatka (Russia)  | 300270 | Elevation 3283 m
熱異常が5月19-20日と23-24日に観測された。航空カラーコード「オレンジ」

Turrialba  | Costa Rica  | 345070 | Elevation 3340 m
5月28日0930時に少いた噴火で噴煙が火口縁の上空 300 m まで上昇した。

十勝岳の噴気

霧島山系新燃岳

霧島山系硫黄山の噴気

以上

2018年5月30日水曜日

越谷市西新井:石神井神社本殿の基壇石組

元荒川と綾瀬川に挟まれた平らな土地の中に石神井神社は鎮座しています。一番近そうな埼玉県健康福祉村のバス停から「末田大用水路」に沿って北上し途中から田んぼの中を歩いておよそ500mで石神井神社に到着します。

ネットで見ると比較的最近に整備されている感じなのですが、どうやら本殿周りの玉垣が木製で本殿基壇が見えそうなので出掛けてみました。最近では昭和25年に改修が行われたらしい事が、基壇に嵌めこまれた白河石らしい献額に書かれています。献額と基壇の角石は白河石。

ざっと見回すと、基壇の石材は笠石に大谷石が有りますが、大体は伊豆の凝灰岩で積まれている様です。半ば崩れた扁額は、小豆色の火山岩片を含む緑色凝灰岩です。屋内に収めて置いて頂ければ此処まで朽ちる事は無かったように思いますが残念な事です。

尚、玉垣内の石材の画像は全て 300 mm の望遠レンズで手持ち撮影なのでややボケ気味です。大きな黒色の礫を含角礫緑色凝灰岩は、間知石として良く使われている、伊豆は湯ヶ島付近の石材です。様々な礫が含まれていますが、赤味を帯びた火山岩の場合は、ほぼ「杏仁:きょうにん」構造が発達しているのが特徴です。



淡褐色の大きな塊の間を淡い淡緑色の凝灰岩が埋めているのは、採掘地が特定できていないけれど、南伊豆に良く似た露頭を観察出来ます。淡い細粒の緑色岩の部分の固結度が低いと淡褐色の岩塊がぽっくりと外れてしまいます。



ゴマシオ状の石材は実は扁額の石材に良く似た、砂粒が目立つ石材です。その上ののっぺりとした石材は淡緑色の細粒凝灰岩の風化色が出ています。

風化すると大谷石との見分けが付き難くなる事も有ります。
関東大震災の被害も受けている事でしょうし、その以前にも何度か水害や地震被害を受けて改修するたびに、その時に手に入り易い石材で補修が行われた結果の集成なのでしょう。改修の歴史が判ると面白い石材史が綴れそうです。

2018年5月29日火曜日

今日はいろんな人と出会った一日だった!越谷市内FW

武蔵野線の吉川からバスに乗り、松伏町上赤岩の浅間神社からスタート。調査がらみでは松伏町は今回が初めてだが、越谷市増林へは一番近いのでご挨拶がてら(?)一社だけ神社の調査をさせて頂いた。火袋が壊れて消滅している燈籠は緑色の斑点があり小豆色の火山岩塊が混じる伊豆の凝灰岩が使われ、

文久二戌年十一月の日付の「鋪石供養塔」の前に置かれた一枚の切石は下田産の石灰質の凝灰岩。

その切石表面の細かな凹凸は石材の長手方向に対し斜めに傾いている。

「ふれあい橋」を渡り、増林下組の香取神社は凝灰岩的には外れ、宝蔵院墓地も通過して、白山神社は小さな御堂の雰囲気。近所の方から、「白山神社は歯の神様だから、昔は歯ブラシが沢山置いてあってね・・・」と講釈をお聞きする。
境内右手には加藤様の石仏資料にも掲載されている「向い夫婦の奉納石塔」④は天保九(1838)年だから結構古い。

この神社の小さな社殿の前には、角もきっちりした、石灰質凝灰岩⑤の切石が三本置かれている。

時間が在ればここから前回起点にした「新方橋」方面まで歩きたかったが、丁度バスが来たので南越谷に移動。南越谷の西側の七左町二丁目にはお稲荷様が在り、周囲を新しい建築で囲まれているのが、木製の玉垣に隙間が在るのでもしや!と思って立ち寄ってみたら、殆ど改修されていたが、本殿の礎石には伊豆の、私が取り敢えず「げんこつ」と名付けている粗い石材が使われていた。

しかも、境内に建立されたこの神社の井内石(仙台石)の「村社稲荷神社 震災復興記念碑」の背面の奉献社一覧には、「鈴一個 越谷 木下半助」とある。

房州石の石蔵のある木下半助商店さんの事だろう。今度、越谷宿に行く機会が在ったら忘れずにこの事をご報告しよう。今日は調査の役には立たなかったが、様々な方から声を掛けられた一日だった。

2018年5月28日月曜日

十勝岳の噴気が元気が良い!

数か月に一度くらいの頻度で、気象庁の火山カメラを出来るだけ頻繁にチェックして「普段」の噴気の状況を知ろうと思って画像を少し貯めこんで居る。
今日は、北海道の火山の火山監視カメラの画像を見ていると十勝岳の噴気が手元の画像に比べてかなり噴気が強そうだ。噴気量は、雨の後は増える傾向が在るので多分その類だと思うが興味深い。






2018年5月27日日曜日

越谷市北川崎:川崎神社の伊豆軟石,越谷地区では残り五か所

隣接する草加市ではリストアップした神社とごく少数の寺院を含めて64ヶ所をチェックリストに記載し、47ヶ所を訪問。残り17ヶ所はネットの画像で訪問しても
既にコンクリート基礎に改築され敷地も整備されて凝灰岩は観察出来そうにないと諦めた。越谷市では91箇所をリストアップし、これまでに61箇所を訪問し、25箇所は
同様にネットでチェックし近くに行った際には立ち寄るが、敢て其処まではスケジュールを組まなかった。残り5カ所:七左町2丁目の下七左稲荷神社,西新井の伊原久伊豆神社,増林の香取神社,東町の千疋伊南理神社(これは歩く距離が長い)。
何処を訪問するかと云うのは結構難しい選択だ。23日に訪問した川崎神社は実はノーマークで、当所は神社名も判らずリストにも掲載していなかったのだが、越谷郷土研究会の
加藤幸一氏の膨大な資料を見ながら、長丁場なのでゆっくり石仏を見ながら回ろうと思い、資料を読んで初めて神社名が判って立ち寄ったのだが、この日一番の観察対照となってしまった。さて、残り五か所を全部回るか?どれか外すか?ここは思案の為所だ!

社殿(拝殿・本殿)の全周に亘ってこの斜層理が目立つ石材が敷かれている。

拡大図

浅間様の階段にも同じ石材が使われている

斜層理は必ず側面に配置し、上面が少し風化するとこの様に石灰藻等の化石が現れる。

慣れない内は、斜長石が目立つ花崗岩を見てもこの石材と思い込む例も有る様だが、花崗岩の場合は斜長石が四角いので良く見ればすぐに違いが判る。
浅間様の周囲に使われた礫混りの緑色凝灰岩の間知石。

旨い具合にほんの少し割れた断面が見える間知石があったので接写

以上

越谷市七左町:観照院鐘楼基壇 (2)

このお寺さんの鐘楼は、梵鐘を戦時供出した為に永らく用をなさない状態で在った為に、改修等を行うことなく来たので、石材の風化等は別にして 建築当所の形状をほぼそのまま残していると思われます。明暦の大火の頃の建立との説も有る様ですが、取り敢えず私は奉献者名(願主)を刻んだ石材に「安永八亥三月」とあるのでこれを採ります。
鐘楼の上表面は厚さ 6 cm 前後の安山岩製板材を張りつめています。基壇は見える部分は三段で、上の二段については厚み 18 cm 程度下段は 22 cm 程度の切石を組んでいる様です。上に敷いた石材の一枚に少々不思議な事を見付けました。



風化で厚さ 3~5 mm 程度に表面が剥がれる事は別に珍しくも無い事で、時には20年も経たないのに剥がれた例も有って、博物館に一体どんな材料を使っているのだろうかと問い合わせが有った事も有ります。此処では、剥がれた下の石が、緑色凝灰岩だったのです。

緑色凝灰岩の表面は加工目がはっきり残っているので風化した訳でも無いし、安山岩の数ミリの板も結構な面積分が残っているので、最初から薄板を被せていたとしか思えないのですが、何故こんな事をしたのか? 理解に苦しみます。

5枚目の画像は、そこに在った薄板を裏返して材質を観た時の画像。

6枚目は基壇の横に置かれていた、安山岩の板材を切断した後で、やや濃い色の部分が破断面。薄い部分はカッターの切断跡です。

何れも斜長石の斑晶が目立っています。

5月25日:霧島山系硫黄山に関する火山活動解説資料;抜粋

5月25日1630時に霧島山系硫黄山に関する火山活動解説資料が公表されています。原文は下記に有ります。一部を抜粋し勝手に図表の順番を入れ替えてご案内します。末尾に今朝(5月27日)の火山監視カメラ画像を添付します。
詳細は気象庁のサイトを参照下さい。
http://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/monthly_v-act_doc/fukuoka/18m05/201805251630_552.pdf








5月27日の火山監視カメラ画像(新燃岳を含む)







以上