2018年5月21日月曜日

富浦海岸地質観察会(3) 不得手な化石類

今回の観察会では化石の採取も出来ました。伊豆の石灰質の凝灰岩の説明をする時に、貝殻が解けてそれが再度結晶化して石材の強度を高めると云った説明を良くしますが、石灰質のノジュールの形成には、特に、貝殻などが融け出す必要も無く、貝の有機物が腐敗する際に、生物体を造る有機物中の炭素から炭酸水素イオンが造られ、それと海水中のカルシウムイオンが反応して炭酸カルシウムが形成されると云う新たな考えが名古屋大学の研究グループから提唱されていて、極めて短時間にノジュールが形成されるのだそうです。
炭酸塩ノジュール等の観察風景

種は不明ですがサンゴらしい。

海岸で拾える沼サンゴ。漁師の方が居られなくて仕事の邪魔にならないと思われる時は漁港の船溜まり(漁船を引き上げる処)を覗いてみるのも・・・



化石とは言えなさそうだが、伊豆の石灰質凝灰岩や房総半島の高宕石に含まれる石灰藻。

貝殻を焼いて漆喰の原料とした事から「ハイガイ」と呼ばれる貝化石も海岸で拾えますが、地上にはこれを含む地層は見当たりません。赤貝の殻を少し厚くした雰囲気。

ズーフィコスと呼ばれる生痕化石。黒いのはスコリアが含まれている為です。
白い火山灰の層に棲息すると同じ形の白い生痕化石が形成されます。生痕化石は他にも多数観察されます

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