壁面の仕上げの一例です。細い帯状の浮き出し部分を作り、その浮き出した部分の仕上げを粗くする事で、平面的なべったりとした壁面になる事を避けて不思議な空間を作り上げています。帯状の浮き出した部分は画面右手のスケールのもう少し左手で消えています。さてこおれが美術館のどの部分の壁面だったか?いくら“GPS”付きのカメラでも建物内なので効果がありません。
余談ながら、カメラにGPSが組み込まれて、位置情報をデータとして取り出せるので、最近は露頭位置のマッピングが本当に楽になりました。
2021年2月末から、少しやり方を変えて、所在地を地図と座標で示しながら、千葉県内は凝灰岩以外の石材も含めながら、それ以外はほぼ凝灰岩質石材の、丁場や石造物の観察記録をご紹介する事にしました。整理番号を付けており、最初の6桁はJISの地域コードです。現在1,430件の観察記録の一部を常時検索できる形で紹介する事にしました。古いものは順次削除して入れ替える予定です。宜しくお願いします!
9月15日 久し振りに産総研・地質調査総合センターの1階に在る「地質図ライブラリー」と3階の図書室で、地質図と地質文献の閲覧と複写をしました。此処は昼休みの時間帯は館内に留まれないので、何時も講堂傍の食堂棟にあるコンビニでおにぎり二つを買って、池の畔で食事し、地質標本館の中で岩石標本の撮影等をして時間を過ごします。上の画像は地質標本館の外観で、下は入口の部分の柱(左側研磨部)と外壁(右側)です。標本館で石材の産地をお聞きしたら韓国産の御影石だそうで、国産石材を使用しなかった理由はこれだけ大量の石材は国内では入手し難いからだとの事でした。残念な話です。
17日は早朝から房総半島中央部の君津市の砂取場で万田野礫層の露頭を観察する事が出来ないか?走り回る予定で何時もは午前中の早い時間に出発するので更新が出来ないので取り敢えずこの画像で場繋ぎをさせて頂きます。
さて、ここに使われている万成石の顔を拡大して拝見しましょう。上の画像は磨き仕上げ、下はバーナー仕上げでしょう。今朝からブログの表示がこれまでと少し変わってしまい、全画面での表示が出来なくなって居ますが、上下の画像を大体同じ大きさになるよう調整しています。横幅が約50㎜ですから皆さんのパソコン画面上では4倍ご覧になれると思います。(なんで全画面での表示が無くなってしまったのか!残念。)
桜みかげの波板状の仕上げ面を接写したものです。現尺よりやや大き目かもしれません。スケールを充てた画像を一枚も撮影していなかったのは失敗でした。粗い仕上げなので、ピンクのカリ長石の板状劈開が良く観察出来ます。
前の画像の一人掛けのベンチが在ったスペースの西側壁面。少し斜めに写してしまいましたが一番上の部分は他の部分と異なる波板上の仕上げになっています。他の部分はバーナー仕上げなのだろうと思います。
館内に入って右手のやや高い位置に在るトイレに通じる休息スペースに在るベンチの上面。左右両側に斜めの線が見えるのは床面の敷石でこれも勿論万成石。内部は全てガラスと万成石の館である。美しく丁寧に研磨された上面は結晶の形状がくっきり浮かび上がって素晴らしい。画面左下にスケールを置かせて頂いた。画面右側に壁面一杯のガラス窓が在り、中庭の景色が心に優しい。画面が少し斜めに見えるのは、真上から撮影すると自分の影が映るのでやや手前側から斜めに撮影してみたものです。
正面の玄関前広場の階段がチョット面白そうなのでどう写そうか迷っていたら、丁度女性が階段を昇って下さったので後姿をスケール替わりに頂いた。階段部分は建物内部に比べるとやや桜色が淡い様に感じたのは外装部分には類似品が使われていると聞いたからか?
産総研の地質ニュースに掲載された「万成石」によればこの建物の内装は本物の「万成石」なのだが、外装には他産地の類似のものも使われているらしい・・・。この美術館の正面玄関付近の画像は結構多く紹介されているので省略し、これは県立美術館西側の壁。この画像の少し右手には大型美術品の搬入口と思われる大きな構造物が在ってこの造形も興味深かったのだが、此処は万成石に焦点をあててこちらの画像を選択しました。あいにく時々小雨が落ちる天候で背景が青空ではないのが残念だが、石垣と共に表面加工を幾つか組み合わせしかも単純な壁面に終わらせていない処が気に入って採用!