2010年6月17日木曜日

横須賀周辺の蛇紋岩露頭と土木工事(21)

阿部倉トンネルの南側坑口の風景です。道路の両側には崖が見えませんが、門型の構造が張り出しています。景観設計として、トンネル進入時の速度低下を防止するという目的で、入口の手前に構造物を置くのが流行っていますが、これは深礎工の強度を維持する為に上部を門方に構成したように思えます。
地質図は地表面に露出した地質を図に支援したものなので、薄い表土の直ぐ下に隠れた地層を表す事は出来ませんが、周辺の地層の構造(このような表現が正しいのか知りませんが)から地質図に表示されていない場所でも異なる地層の存在を推測する事は出来ます。露頭の規模が小さくて図上に表示できない場合もあります。でも、地上に作られた構造物から地下地質を類推する事も時として想定する事が出来るケースもあります。その例を次にご紹介したいと思います。

2010年6月15日火曜日

横須賀周辺の蛇紋岩露頭と土木工事(20)

阿部倉トンネルの交差点側入口のまだ工事中の時期の画像です。トンネル部の手前側にも深礎工が見えます。露頭そのものは見えませんがこの丘陵地のトンネルに接したかなりの部分が蛇紋岩だった現れでしょう。もう少し背後の山が写るようにすべきでしたが、この画像は「杭」に注目していたので残念。
明日は出張の為Update出来ません。

2010年6月14日月曜日

横須賀周辺の蛇紋岩露頭と土木工事(19)

お隣の阿部倉トンネルに移動しましょう。1/5万「横須賀地域の地質」27頁「第17図 超塩基性岩体の産状(横須賀市池上4丁目妙蔵寺西方)」で画像が紹介されている蛇紋岩露頭の直ぐ傍を通るトンネルです。この工事に関しては2003年8月の「トンネルと地下」に「市街地地すべり地帯のめがねトンネル(トンネル編)」として地質図も公表されています。地表沈下、底盤ストラット(補強部材)の座屈、切羽の崩壊等興味深い記事があります。図の右 カラー舗装側がインター側です。

2010年6月13日日曜日

横須賀周辺の蛇紋岩露頭と土木工事(18)

チョット嫌な画像をお見せしましょう。完成後に此処を訪れた時はあいにく小雨でしたが傘を必要にする程度の雨が降っていました。これは南側の入口附近。14枚目の画像の左手の部分です。地中に沁みこんだ雨が地下水となって水抜き孔から流れ出しているだけの事ですが、これだけ濁った水が流れ出すという事は地山の粘土が流れ出して居る事を意味します。止める事は出来ないでしょうが、困った地山を掘削してしまったものですね。