街中のこじんまりとした神社ですが氏子の皆様は歴史を大切にしておられるようです。
創建は寛永七年ですが寛政七(1795)年に敷石工事を施工。社殿は嘉永四(1851)年債権と伝えられています。
社殿の屋根が欠けてしまいましたが、この神社の神域を示す石積みが興味深い石材を使っています。石垣の積み石は、熱水変質を受けた火山岩礫を含む典型的な緑色凝灰岩で、石切り場は不明ですが、湯ヶ島付近には過少に露頭が多く見受けられます。神社などの石垣石には実によく使われている石材です。また、その石垣の最上段の「笠石」はほぼ石灰質凝灰質砂礫岩です。一部に、細粒で緻密な緑色凝灰岩らしい石材がありますが、確認が少し難しい状態です。
比較的きれいな表面の石材を探すとこのように角礫を含んだ緑色凝灰岩で有る事が判ります。
少し広い範囲で見るとこのような雰囲気です。
正面階段の石材や石垣の一部の笠石にはこのようにの側面を見るとこのように、妙に白いものや側面に縞模様がうっすらと感じられるものが有ります。この白い部分はかなり石灰質が濃い部分で石灰岩と呼んでもおかしくはないのではと思われるものもありますが、貝殻やそのほかの生物遺骸を化石として含んだ石材が観察されます。石灰質と言うだけではなく実は凝灰岩質でもあります。
階段石の二段目の石材に注目頂くと
更にその一部を拡大してみるとこのように小さな白い破片のようなものが点在しているのが見えます。
この石材は通りから境内に入る際の飲食店の軒下にも何故か積み重ねられています。
積み重ねられた石材の側面には堆積時の構造模様がしっかりと観察されます。
使われている石材とその想定される産地:
石灰質凝灰質砂礫岩:伊豆下田付近
角礫を含む緑色凝灰岩:石切り場の所在は不明だが、湯ヶ島付近の歌唱で露頭が観察される。
資料整理番号:No.114642-03,最新観察時期:2015年8月19日
地理院地図10進座標系:36.028672,139.730156
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