2017年6月22日木曜日

白い凝灰岩を用いた五輪塔 (5) 「伝藪塚氏五輪塔」

房総半島のある場所にある五輪塔の石材が、何処に起源をもつものなのか?語らぬ石材になんとか語らせようと、可能性が考えられる房総半島・伊豆半島南部の下田周辺・栃木県宇都宮周辺・埼玉県比企丘陵他の中から、これまで調査が殆ど及んでいなかった群馬県の天神山方面の石材調査と、主に太田市内の凝灰岩製の五輪塔や名号角塔婆を観察する二日間の旅を楽しんで来た。
残念ながら、「これはぴったり!」といえるような結果は得られなかったので、これから長い調査の月日が必要な雰囲気になっている。胃がおかしくなりそう。
13か所の観察地を訪ね露頭やその素材を用いた五輪塔などを観察したので、その一部をご紹介。画像は、出来るだけ画像を画面一杯に広げて詳細に見て頂けるように、美意識抜きに縦長のものも横位置にしているので御容赦下さい。
伝藪塚氏五輪塔は屋根つきの場所に収められている。小型の方は樹脂補正が施されている。

中央の一番大きな五輪塔:敢て横位置。

覆屋の隣に建つ井内石(宮城県石巻市産)の石碑に、此処に祀る事になった経緯が記されている。

白丸で囲んだ部分には、小さな黒色の岩片が突き出している。表面はこの突き出した分だけ風化して減ってしまったらしい。同じような岩片は比較対象している凝灰癌にも含まれているが、チャートなのか、ガラス質の安山岩なのか未だ判らない。この小岩片は今回観察した数十基の凝灰岩製五輪塔のかなりのものに含まれている。

空輪・風輪部分の拡大。この部分は火輪の素材とはやや異なるがやや粗い。

地輪もかなり粗い

白丸内には小岩片があるが、割れ方が違うので質が異なる。

場所は判り難いが赤丸でかこんだ場所。入口には案内看板が或る。車では入れない。個人の所有地。付近には適当な駐車スペースが見付からない。

  続く

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