藪塚石の石切り場は古くなったウッドデッキが抜けそうなので原則立ち入り禁止となって居ます。我々は数十年に亘って人々から忘れられた石切り場跡の探査経験は豊富なので、無様な事故を起さない様に注意しながら場内で石材の調査を行いました。石切り場は一般道からの入口別に少なくとも二ヶ所に分かれている様でしたが、我々は案内看板が設置された溜池前からの遊歩道が整備された側にだけ入域しました。
房州石の石切り場や、伊豆軟石の石切り場を見慣れた目からすれば石切り場はそれほど大きなものではありません。石切りにより出来た絶壁はレーザー計測では18m程度、入って直ぐの広場の幅も60m前後です。ほぼ水平な採掘跡の縞模様は、一段が20-24cm程度です。
左手の採掘跡
右手の採掘跡は広がっています。
正面の採掘跡から入口を眺めたものです。
右奥には、節理を避けて斜めに切り込んだものの、再度節理にぶつかって採掘を断念した雰囲気の切羽があります。
上の画像の左手を見ると、採掘跡の壁の一部に地山の表面に平行な節理が数段走っています。表層に近い薄い凝灰岩の層は恐らく採掘対象にはならなかった事でしょう。
天神山と異なり、石質はかなり粗い雰囲気なので、表面付近は石材として使用出来るような硬さでは無くなってしまっている様です。石材の地山には、軽石の岩塊が結構な量含まれています。ガラス質の岩片もかなり大きなものが含まれています。
ガラス質の岩片
やや発泡した火山岩塊が含まれている事もあります。
尚、軽石岩塊とかガラス質火山岩塊等に付いて記すのは、この地域の凝灰岩質石材の特徴を出来るだけ詳細に把握する為で、石材の良否を云々するものではありません。
尚、ネットで調査した情報では、太田市内の藪塚石切り場から南東側の菅塩町にも石切り場跡が有る様です。
また、「藪塚石之碑」に刻まれた藪塚石の採掘の歴史に関しては、下記のブログが参考になると思います。「藪塚石・藪塚温泉北側の石切り場跡」
http://www5f.biglobe.ne.jp/…/koramu53sugashioishihosoku.html
続く
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