東日本大震災の直前にも何度か仙台方面に通って居て、ある日、松島層群の露頭を見て回って居たら雪が降りだしてしまった。暖を取りたくて駅の方に戻ると松島から湾内を周遊して塩釜に向かう船が出るという。これなら寒ければ船室に入ればよいので、島々の崖を船から見ようと思い立ちそそくさと乗船した。結局、船室に居るのがもったいなくて、雪の降る中を一人最初から最後まで船尾デッキにいて望遠レンズを装着したカメラで外の風景を写しまくっていた。雪に阻まれて良く見えない部分もあったので、数年後、今度は夏の季節に再度乗船してみた。全体が明るい画像数枚はその数年後の夏の暑い盛りに撮影したもの。金華山は三度行ったが、松島湾は二回で十分だろう。
遊覧コースの案内図。地図内の鉄道路線図で右上の駅のマークは、右端が旧野蒜駅、一つ左が東名。松島湾と野蒜石の地層は隣同士なのです。
地上で観察していた地層は殆ど水平の幾重にもに多様な地層が積み重なった砂泥互層で正直、あまり面白くは無いものが多い。所々、ほんの少しだけ下の地層を削り込んだりしている。小さな断層はめっぽう多い。
野蒜石と似た雰囲気の地層。下の黒い部分は潮間帯なので地層の色ではない
これも野蒜の海岸線の露頭で見たものと似ている。海食洞は断層の破砕帯に形成されるらしい。
「よろい島」武将の鎧の「かたびら」に似ているのでこの名が付けられたという。少し似た形状の「兜島」では上に草木が生えているので見分ける。
「鐘島」断層に形成された洞門に打ち寄せると鐘に似た音が響き渡ることからこの名が付けられたという。島には断層が多い。
さて、これは何処だったか?平らに堆積している様に見えてその実、断層でぶち切られており、中にはまだ固結していなかったのか層内で破砕されているものもある。前の画像の「鐘島」の左手のやや裏手の可能性が高い。何れも望遠レンズ。
「仁王島」随分前にも細くくびれた部分をセメントで補修したという話があるが、東日本大震災の後にもかなり大規模に補修が行われたと聞くが、これは震災の前に撮影したもの。
望遠レンズで遠くの島を見ていたら島の右手の部分が変だなと思って拡大して見ると次の画像
平らに堆積した地層を松の木の太さと比較してかなり大きな礫を含んだ層が大きく削り込んでいる。現在の浅い海では考えられない様な高い位置からの土石流なのか、火砕流の様なもので削剥されたのか?興味深いが観光船では自分の勝手でもっと傍に寄って欲しくとも希望は適わない。
0 件のコメント:
コメントを投稿