2019年5月20日月曜日

これはこれは!!こんな山の中でまくら状溶岩ではありませんか! (3/3)

 露頭を訪ねる切っ掛けとなった「持方の岩石」の露頭にも触れておきましょう。この付近は基本的には袋田の滝周辺で観察される「火山角礫岩」と同じです。袋田の滝からこの集落や男体山・白木山或いは武生山方面へとほぼ北北西から南南東方向に、これだけ広く分布している事に驚きます。ちなみに2011年に行われた地質学会巡検の「棚倉断層の新第三紀テクトニクスと火山活動・堆積作用」の巡検の“Stop 6” も、「男体山火山角礫岩層のハイアロクラスタイト・偽枕状溶岩」も「武生林道」沿いなので、少なくともここまで続いている事になります。袋田の滝から“Stop 6”まで直線距離にして 8 km です。
 私はこの後、馬頭町方面に向かったのですが、国道461号線の於古槌(おこづち)付近の押川が相川と二つに分かれる付近の河床で最後の画像の露頭を見ました。ハンマーも持参していなかったので河床に下りる事はしませんでしたが、これは恐らく「北田気層大沢口凝灰岩部層」だと思うので、巡検案内書の、“Stop 1A”の北田気層大沢口凝灰岩部層模式地も気になるポイントです。巡検案内書のアドレスを再度記しておきます。
棚倉断層の新第三紀テクトニクスと火山活動。堆積作用:地質学会巡検案内書(2011)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/geosoc/117/Supplement/117_117.S69/_pdf



持方集落付近の位置関係図を作ってみました。袋田の滝で河床に下りて調査しようとすると観光客に声を掛けられて面倒で!等と云う場合には、この場所は便利かもしれません。

上流側の河床の状態です。

礫岩も様々です



河床礫の状態

下流側の河床の状態。長靴が有ればこの下流の橋の向こう側に抜けられそうです。

下流側の河床と河岸の状態です。

押川と相川の合流点の露頭。北側にから流れ下ってくる押川側が大沢口凝灰岩部層の様です。 

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