さて、ここに使われている万成石の顔を拡大して拝見しましょう。上の画像は磨き仕上げ、下はバーナー仕上げでしょう。今朝からブログの表示がこれまでと少し変わってしまい、全画面での表示が出来なくなって居ますが、上下の画像を大体同じ大きさになるよう調整しています。横幅が約50㎜ですから皆さんのパソコン画面上では4倍ご覧になれると思います。(なんで全画面での表示が無くなってしまったのか!残念。)
上の画像で、桜色は勿論この花崗岩の一番の特徴である「カリ長石」。白い色の部分は大体「長石」です。透明の部分が少しだけ厄介で、劈開と言う名の割れ目が見えるのは白い部分と同様に「長石」です。
長石といっても斜長石もあれば正長石もあり、その分類は薄片を作って偏光顕微鏡で観察しなければ判りません。白い結晶でもツルンとしてなんだか奥が見える様な小さな劈開が無いのが「石英」です。黒いのは大部分が「黒雲母」。小さな黒い点は角閃石かもしれませんがこの画像から判断する事は出来ません。仕上げによって表面がこれほど異なる事をお分かり頂けますでしょうか?
処で 毎年、5月の連休に私の出入りしている博物館では「石を割ってみよう」と言う体験会を開きます。どんな事をやるのかは下記の産総研での例をご覧になって下さい。割る岩石の種類は少ないですが、ほぼ同じような手順で体験会が開かれています。下記をコピペして2009年に岡山で開かれた地質情報展 おかやま でのスナップ写真集のインデックスを開き左手三段目の「石を割ってみよう!!」をクリックしてください。
http://www.gsj.jp/Info/event/2009/johoten_2009/snapphoto/snap_index.html
子供たちは目を輝かせて石を割り、実体顕微鏡での美しい観察画像に息を止めて見入ります。私は博物館のこの様なイベントの時に、観察のお手伝いやハンマーの振り方や叩くポイントのアドバイス等のお手伝いをさせて頂いています。産総研と異なり、コネも予算もない博物館では、ボランティアの皆さんが手弁当で「石無県の千葉県」で石割用の岩石を採集に出掛けます。割ってみて興味深い石を探すのは大変でもあり、割ってみて自分でも見た事が無いようなものが出て来るとつい欲しく成りますがそんな時は小さなお子さんから気配を察してか睨まれてしまいます。こんな美しい花崗岩を叩かせてあげたいものです。来年にでも少し大きめの岩屑を頂きに参上しようかしら!
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