2020年7月28日火曜日

岩石と地層の表情:088;下田市内:白浜神社周りの石切場

美しい海浜で有名な「白浜海岸」の北端にある白浜神社周辺の石切遺構観察場所です。駐車出来る場所が少ないのが難点ですが、海水浴シーズンで無ければ神社の南側の有料駐車場に止める事が出来るでしょう。比較的小型の石切場ですが、ここの石材と思しきものが千葉市内にも運ばれて神社の基壇等に使われています。石灰質の生物遺骸(化石)を多く含む石灰質の凝灰岩(白浜石灰岩)です。駐車場の一角にある漁協の石蔵や、神社の石垣の大部分は白浜石灰岩ですし、海岸に出ると砂浜の下に石切遺構があり、鳥居の建つ岩礁の周囲も石切跡が在ります。
神社の石垣の一部。白浜石灰岩と言えばもう少し石灰質が多く、美しいラミナが目立つものが大部分だが、この付近は静かな海に堆積した水平の地層でやや石灰分に欠けるのが残念だが、含まれる岩塊などが見事に一致する石材が千葉市内の歴史ある神社の基壇に使われている。
海側の露頭はこの範囲に集中する。砂浜が荒波で洗われると岩石露頭が現れ、石切りの跡も確認出来る。鳥居の有る岩礁にも石切の跡が見える。左手の小丘(神社境内に続く)の周囲にも石切遺構が観察される。
岩礁に寄ってみると階段でもない段差が沢山見えるがこれは石切の跡。潮位が下がれば岩礁に渡れるが、のんびりしていると潮位が上がって来るので帰れなくなるから要注意。
小丘の突端付近。海浜からの細い通路は崩落し始めていたのでここまで行けるかどうか判らない。平らな面は石切場跡
波打ち際の石切跡。潮位や砂浜の状態では見えない事も有る。周囲にツルハシで 3 ~4 cm 程の細い溝を掘り底面に楔状の「矢」を打ち込んで剥がし取る方法です。
小さな石灰藻の化石に混じってウニの断面が見えます。
山側ではラミナは観察されませんが、海側の露頭では所々にラミナが観察されています
プリンスホテル正面辺りの民家裏の露頭では水平な堆積層が観察されます。この付近では地層が細かに分断されているようだ。
道路脇の小さな広場とその奥の石切跡。勿論、この小さな広場も石切の跡です。

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