さて、「成羽五色石」の故郷「高梁川」に戻って来ました。と言っても、その礫岩に入っていた石灰岩の故郷。高梁川に成羽川が合流する更に上流の新見市に位置する鍾乳洞の「井倉洞」です。本当はもう少し上流の、「蝋石」を採掘する鉱山に潜り込みたかったのですが、なんだかんだと時間が足りず、高梁川の対岸に急峻な垂直の崖が聳えるこの鍾乳洞にしました。
地図の水色は「高梁川」両岸に広がる石灰岩台地を蛇行しながら削り抜けています。赤線は伯備線。黄色い線で囲んだのは石灰岩の採掘場。緑がこの井倉洞です。
車窓から見えた井倉洞傍の駐車場兼公園と川の向こうで大きく採掘された石灰石鉱山の状況
井倉洞は左岸側に在りますので、入場券を購入して歩道橋を渡り鍾乳洞に入りますが、秋吉台等と異なり、鍾乳洞は現河床よりもはるかに高い位置に開口しています。この下流の石灰石鉱山も同様にほぼ同じ高度に開口した鍾乳洞を利用しています。
実は、この画像の中に重要なものが一つ写っています。黄色の線で囲んだ石碑がそれで、宮城県の石巻産出の「井内石」で造られた記念碑です。ここを訪れた時には井内石の石碑の分布を調査している時期で、これほど西にまであるとは思っていなかったので、大興奮でしたが先に鍾乳洞を見学しました。石碑に建立時期の日付が無かったので、事務所の方々にいろいろと資料をひっくり返して調べて頂くのに大変なご迷惑をお掛けしました。
勿論、現河床と同じレベルにも、鍾乳洞は開口していますが、ごく小規模なもので鍾乳洞と言うよりも「ノッチ」の様なものです。
内部の鍾乳石は見事です。
私は北九州や山口・秋吉台の鍾乳洞を見慣れているので、どちらかと言うとこんな小さな純白の鍾乳石が好きです。
「舟隠し」と呼ばれるこれも「ノッチ」の一つでしょう。舟かくしと呼ばれる割には、誰が何故舟を隠したのか判らず、此処に身を投げたという乙女の民話が綴られていました。
小さな断層
洞内の案内図です
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