2020年6月10日水曜日

岩石と地層の表情:043;蛇紋岩と地滑り地質の阿部倉トンネルあたり

房総半島南部の鴨川から保田~明鐘岬付近には蛇紋岩岩体が存在するが、三浦半島にもその延長の様に蛇紋岩岩体が存在する。房総の嶺岡は地滑り地帯で有名でその傍に「鴨川青年の家」が枕状溶岩の上に立地している。今日は「横須賀地域の地質図」にも記された有名な池上の蛇紋岩体の下を通した「久里浜田浦線阿部倉トンネル」周辺の地滑り地帯の「地滑り抑制工」のご紹介。地理院地図の地形図に追記させて頂いたが画面中央の赤線が「久里浜田浦線」で鎖線部分が「阿部倉トンネル」水色で囲んだ部分に「地滑り抑制工」が施されている。
画面中央付近の標高98mの緑で囲んだ部分が「5万分の1 横須賀」の27頁に掲載された蛇紋岩岩体の露頭のある場所。小さな“x”印は、私が此処の地主の爺様と揉めてパトカーを呼んだ場所。衣笠駅傍の緑の囲みも蛇紋岩の露頭が在る場所。2007年に火山の会OFF会で訪ねた場所。赤い線が南に延びた最後の方に赤丸があるのが道路下に在る天然記念物「三浦枕状溶岩」の場所。
二枚目の画像は前図の一部を拡大した写真地図。道路を股ぐ線が沢山見えると思うが、これからご紹介する「地滑り抑制工」の存在する場所。
三枚目はこの付近の地質図。“Sp”が蛇紋岩。“B”は玄武岩。赤で囲んだのが「三浦枕状溶岩」今は場所も判り難くなったし、河床に入れなくなったので、最初はこれから始める心算だったが予定変更。
南側の短いトンネルの上で何故か蛇紋岩岩塊がゴロゴロしていた。左手の水色は鉄柵のラス。
工事中の「抑制工」の「深礎杭」の上部。確かこの波板の直径はΦ2.3 m だったと思う。巨大柱だけでは抑えきれないのでコンクリートの梁を置いて突っ張っている。
片側に山が無いので、片側だけで支えなければならない時はこんなに巨大な支柱を置く必要がある。と言っても大きさの実感が湧かないと思うので、次の画像を
横を走り抜けるトラックのサイズとコンクリートの柱の大きさを比較してみて下さい。
北側の丘が高い場所では梁が二段に組まれている。この下を道路が走っている。その画像が次に
内部の状態。画像は省いたが、この日は小雨が降っていて、側壁に開けられた水抜き穴から、濁った粘土質の地下水が流れ出していた。まずいじゃん!
高さ 1.5 m 位の小判型の岩石。房総半島の嶺岡には「馬蹄石」と言うものが有って、その巨大なものは2 m を越えるが、同じ蛇紋岩地帯に同じような岩石がある事に
房総と三浦は繋がっているという言葉が思い出される。この石は工事が終わったら近くに小さな公園を造るので其処に置く予定だと聞いたが、残念ながら完成後に周囲を探したが見付ける事が出来なかった。残念!
黄色で囲んだのは濁水タンクのフランジで直径175mm位だと思う。おやおや、フランジの規格寸法も忘れてしまった。

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