第二海堡で使われている殆どスコリア質で所々に泥岩偽礫が混じる石材を見た時に房総半島と三浦半島で類似石材を探すときに、念の為に天神島に行ってみるか?と考えたのは 天神島の入り口の護岸に真っ黒なスコリアの石材が使われていた事を思い出したからだ。
写真地図は佐島漁港とマリーナに続く天神島と北西側の笠島。笠島には渡れないが地質構造的にはつながっているような岩の配列が見える。白線は真っ黒なスコリア質石材を積んだ護岸。黄色の丸は火山豆石が観察される地層。緑色はスコリア質石材を剥ぎ取った痕跡が観察される場所。
島に渡る橋から右手の護岸を見た状態。島に渡る橋は昭和61年に竣工しているので、護岸はその前に完成していたものと想定されるが、佐島石の中のスコリア質が多い層が採掘されたのか、それとも島にあるスコリア質が採掘されたものか?或いは別の場所から運ばれてきたものか?検討したいと思っていた。
橋の左手の護岸。少し色の薄い部分も在るが石材の長手方向に走る堆積模様が観察されるので、どうやら佐島石の線はすてても良さそうだと考えた。
天神島の北側はやや泥質~凝灰質の地層が僅かに顔を出しているが、火山豆石の露頭が在る付近では丁度その境目らしい。
火山豆石は火山雷が発生するような噴火の際に、降雨により核となる小サイズのスコリア等の周りに火山灰が付着して成長する事で形成される。私の年代だと「チャイナマーブル」と言うお菓子に似ているが、現在は通用しないらしい。この画像ではうまい具合に同心円が見えている。十字線がセンターからずれているのが残念!
こちらの豆石はセンターの「核」が抜け落ちたらしい。豆石は火山の近くにしか分布しないと云われるが、三浦では城ケ島で火山の会のOFF会で一生懸命探したことがありましたね。房総半島では内房の勝山港にも露頭が在りますね。
北側の笠島を見る。標高が低すぎて、此処で採掘したとしても量的に大した事は無い様に思えるので、島にも渡れない事だし検討対象から除外。
緑で囲んだ場所に在る「剥ぎ取り」技法によるスコリア層の採掘跡。崖を作り出すような鋸山の採掘跡と異なり、少量の採掘用途の技法だが、奈良の二上山周辺で発掘される法隆寺等で使われた「二上山石」の採掘も殆どこれと同じ技法だし、鋸山の裾野の方の泥岩の採掘もこんな技法で採っている。但し、第二海堡等の大量に必要な石材の採掘には無理でしかない。右側に矢穴状の跡が残っている。誰か採掘法の実験でもやったのかもしれない。左右・前後の切り方に統一性が無い。黄色いのはGPS。
これも剥ぎ取り方式の採掘跡。周辺の岩石の走向傾斜をみても、とても大量の採掘向きではない。
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