この高層ビルの位置を「某所」とする必要は無いかな?とも思ったのですが、何処の誰がこの画像を見るかもしれないし、それをどう理解するかも判らないので敢えてここは正確な場所を示さなかったのは、この画像が有るからです。
私は江東区の南端から葛飾区の北端までの地下に広がる沖積シルト粘土層の固さを良く「羊羹」に例えます。ここの4枚の画像を見て頂きました。人間が普通にその上を歩けるし、斜めにカットした斜面も安定しています。この画像はその斜面を指でチョット引っ掻いてみた状態です。しかも、画面の左上には乾燥による収縮が発生した証拠の亀裂が見えます。これでも自然状態の含水比ではないのです。軍手の網目模様が乾燥しているように見える土の表面に簡単に着いてしまいますし、粘土細工の様にクシャクシャに変形した土の様子が判ると思います。静的な荷重には比較的耐える層も、有る限界を超える力を加えると瞬時に部分的な液性化が起こり容易に塑性変形が起こってしまいます。
江東区の同様な土質のシールドトンネルの現場で、私達は止めたのですがそこの工事長が止せばいいのにセグメントに取り付けられて居る2インチのプラグを、外の地山は安定しているのだと言い張って外した事が有りました。途端に地山の土が直径50mmほどの太さで、練り歯磨きの様に凄まじい勢いでトンネルの中に噴出して来た事が有りました。水と異なり噴出してくる土砂は簡単に抑える事が出来ません。暫く、その工事長が悪戦苦闘をしているのを知らん顔して観ていた後で、チョットした方法で私達はそれを止めました。
地震の時の「液状化」と言う言葉をお聞きになっていると思いますが、東京東部の沖積シルト粘土層は結構怖い動きをする事が有ると言うお話です。
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