2018年9月7日金曜日

GVP 火山活動情報の概要:8月29日⇒9月4日;20火山

New Activity / Unrest
Krakatau  | Indonesia  | 262000 | Elevation 813 m
8月29-30日と9月3-4碑に火山灰を含む噴煙が高度 1.2-1.5 km まで上昇し様々な方角に広がりました。警戒レベルは“1-4”段階の“2”。火口から半径 2 km 以内は立入禁止です。火口から半径 2 km 以内は立ち入り禁止。

Manam  | Papua New Guinea  | 251020 | Elevation 1807 m
8月26日から9月3日までの間、白い噴煙が主火口と南側火口から噴出を続けてます。

Veniaminof  | United States  | 312070 | Elevation 2507 m
9月2日遅くからから地震活動は活発な活動を続け噴火脅威が続いています。航空カラーコードが「イエロー」に引き上げられました。地震活動以外は特段の活動は観測されていません。

Ongoing Activity
Aira 桜島 | Kyushu (Japan)  | 280080 | Elevation 1117 m
8月27日から9月3日までの間に、南岳火口で14回の噴火と15回の爆発が観測され、火山灰を含む噴煙が火口縁の上空 2.8 km まで上昇し、噴石が火口から 1.3 km の領域まで飛散しました。火口部の火映はしばしば夜間に観測されました。亜硫酸ガスの噴出量は8月27日の観測では、日量で 15,00 トンでした。警戒レベルは“5”段階の“3”

Ambae  | Vanuatu  | 257030  | Elevation 1496 m
9月1日2015時に爆発が生じ火山灰を含む噴煙が火口縁から 4-11 km まで上昇しました。衛星画像では高度 10.7 km に達し急速に拡散するのが観測されました。警戒レベルは“0-5”段階の“3”

Dukono  | Halmahera (Indonesia)  | 268010 | Elevation 1229 m
8月29日から9月4日までの間に火山灰を含む噴煙が、高度 1.8-2.1 km まで上昇しました。

Ebeko  | Paramushir Island (Russia)  | 290380  | Elevation 1103 m
8月24-31日の間、爆発による噴煙が高度 3-6 km に達していました。衛星画像では熱異常が8月24-25日と20日に観測されています。航空カラーコードは「オレンジ」

Fuego  | Guatemala  | 342090 | Elevation 3763 m
8月29日から9月1日の間の強い雨でラハールが生じ“ Fuego’s El Jute (SE), Las Lajas (SE), Cenizas (SSW), Taniluyá (SW), Seca (W), Mineral, Honda, and Pantaleón (W) drainages”を流れ下りました。ラハールは高温で硫黄臭が有り木々や直径 2-3 m の岩塊を流しました。9月1日のラハールでは“San Pedro Yepocapa (8 km NW) and Sangre de Cristo (8 km WSW)”と“from Finca Palo Verde and El Porvenir (8 km ENE)”を結ぶ道路を破壊し、9月2-4日には、爆発で生じた噴煙が火口縁の上空 950 m まで上昇しました。白熱岩塊の岩屑雪崩が火口内で観測されました。

Karymsky  | Eastern Kamchatka (Russia)  | 300130 | Elevation 1513 m
衛星画像で8月25日に火山灰を含む噴煙が観測されました。航空カラーコードは「オレンジ」

Kilauea  | Hawaiian Islands (USA)  | 332010 | Elevation 1222 m
8月26-31日の間は、割れ目火口“8”の活動は停止していましたが、9月1日には午後に活動が観測され、溶岩が火口底の 16 x 65 m の限られた範囲をゆっくりと覆いました。溶岩は引き続き9月3日も割れ目火口を満たしています。航空カラーコードは「オレンジ」

Mayon  | Luzon (Philippines)  | 273030 | Elevation 2462 m
8月27日0653時に短時間の火山ガスの放出が有り、火山灰を含む淡褐色の噴煙が山頂の 200 m 上空に達しました。8月28日から9月3日の間は白い水蒸気の噴煙が 1 km 程度上昇し、河口付近の火映が夜間には観測されました。警戒レベルは“0-5”段階の“2”。“ 6-km-radius Permanent Danger Zone and the 7-km Extended Danger Zone on the SSW and ENE flanks”は立ち入り禁止。

Reventador  | Ecuador  | 352010  | Elevation 3562 m
8月29日から9月3日の間の地震活動は活発で、爆発や長周期地震、火山性微動或いは火山ガスの噴出等が観測され、火口縁の上空 600 m 程度まで上昇していました。火口部の火映は夜間に観測されました。

Rincon de la Vieja  | Costa Rica  | 345020 | Elevation 1916 m
8月31日の0434時と1305時に2分間継続する噴火が発生しました。天候が悪くウエブカメラで噴煙高さと広がった方向は確認出来ませんでした。

Sabancaya  | Peru  | 354006 | Elevation 5960 m
8月27日から9月2日の間、爆発は平均連日25回発生しましたが、ハイブリッド地震は弱いものがたまに発生した程度です。火山ガスと火山灰を含む噴煙は火口縁の上空 1 km まで上昇しました。9月2日の観測では、亜硫酸ガスの排出量は日量で 3,970 トンでした。半径 12 km 以内は立入禁止です。⇒この抄訳を行いながらこの火山のライブカメラを別画面で見ていますが、丁度、噴火した処です。現地時間9月7日0625時。

Sangay  | Ecuador  | 352090 | Elevation 5286 m
8月28日から9月3日の間、火山灰を含む噴煙が 5.8-6.7 km まで上昇し、しばしば熱異常も観測されています。

Santa Maria  | Guatemala  | 342030 | Elevation 3745 m
9月1-4日の間、溶岩ドームでの噴火活動は弱く生じた火山灰を含む噴煙は 600-700 m 上昇しています。岩屑雪崩が溶岩ドームの南東側山腹を下っています。

Semeru  | Eastern Java (Indonesia)  | 263300 | Elevation 3657 m
9月4日に散発的な噴火が発生し、火山灰を含む噴煙が高度 4.3 km に達しました。

Sheveluch  | Central Kamchatka (Russia)  | 300270 | Elevation 3283 m
8月25日と28-30日に熱異常が観測されましたが、その他の日には天候に阻まれて観測出来ませんでした。航空カラーコードは「オレンジ」

Sierra Negra  | Isla Isabela (Ecuador)  | 353050 | Elevation 1124 m
6月26日から始まったこの火山の噴火活動は二つの相に別けられ、最初は猛烈にエネルギッシュでその日の内に収束しましたが、5カ所の割れ目火口が開口し、溶岩流は火口から 7 km の位置まで流れました。6月27日から8月23日の間の57日間には溶岩流は7月6日に海に流れ込み、海岸線を広げました。8月25日には溶岩流は合計 30.6 平方キロを埋め尽くしました。活動は先週から減衰し始め地震活動も弱まっています。火山ガスの放出などのその他の活動は観測されていません。

Turrialba  | Costa Rica  | 345070 | Elevation 3340 m
8月30日1340時に爆発により火山灰を含む噴煙が火口縁の上空 200 m まで上昇しました。火山ガスと火山灰の噴出は8月31日から9月1日まで続き噴煙はおよそ 200 m 上昇していました。
以上 今週は多忙でライブカメラ画像も余り集めきれなかった!

2018年9月1日土曜日

野田石工「古谷津喜兵衛」と神社額の龍の縁取りと閻魔像

伊豆産の緑色凝灰岩を用いて縁取りに美しい龍を掘り込んだ神社額の作者を調査中。文献で同類のものが安政四年と刻まれて野田にも在る事が判ったが見る事が出来ない。
この閻魔像を手掛けられた「古谷津喜兵衛」は野田の在の石工らしく、幾つかの作品が神社に収められており最も新しいものは大正時代の十六代の手になる鳥居が今の処最新作。作品の中に見事な龍が有るのでこの石工殿に焦点を当てて調査を進める事に空いた。現在はこの名の石材業社殿は居られない。画像は、これは閻魔法王であろうか?根府川石に似た形状の本小松石の硬い石の表面に丁寧な掘り込みをされており、文久二年壬戌と有るので西暦1862年の作である。





以前の凝灰岩の調査画像の中に、同種のものが瓦や他の石造物と一緒に置かれているのを見付けたので、近い内に裏面を確認に行く事にした。

GVP火山活動情報:8月22日⇒28日;18火山

GVPの火山活動情報の概要をご案内します。  “”
New Activity / Unrest

Etna  | Sicily (Italy)  | 211060 | Elevation 3295 m
8月20-26日の間、山頂火口では主に火山ガスの噴出、ストロンボリ式噴火、と火山灰の噴出が続いていました。ストロンボリ式噴火は、8月16日に新しく開いた火口を含む“Bocca Nuova ”火口と“NEC”火口から発生しています。“NSEC”火口での活動は散発的な噴火とストロンボリ式噴火でした。23日1700時に始まった噴火では、これらの火口からのストロンボリ式噴火が“SEC”火口と“NSEC”火口の鞍部に亘って急速に激しさを増し、爆発によりテフラを火口縁の上空 100-150 m まで吹き上げました。1730時に始まった“NSEC”の東側の火口からの噴火では、溶岩流が流れ出しました。この溶岩が流れ始めた直後には鞍部の火口から北側に溶岩流が数百メートル流れました。ストロンボリ式噴火は夜を通して翌24日の0620時まで継続しました。“NSEC”火口から0622時にストロンボリ式噴火が始まり、その南側山腹から小さな溶岩流が数十メートル流れました。25-26日に鞍部火口の活動は徐々に弱まり、火山灰の噴出も弱く散発的になりました。

Krakatau  | Indonesia  | 262000 | Elevation 813 m
8月23日1807時に噴火が発生し、濃密な黒い火山灰を含む噴煙が火口縁の上空 700 m まで上昇しました。27-28日の間、火山灰を含む噴煙は高度 1.2-1.5 km a.s.l.に達しました。警戒レベルは“1-4”段階の“2”。火口から半径 2 km 以内は立ち入り禁止です。

Manam  | Papua New Guinea  | 251020 | Elevation 1807 m
8月25日0600頃に始まった噴火について、住民の話ではその一時間ほど前から活動が始まっていた様ですが、噴煙は高度 15.2 km まで上昇しました。降灰が島の南西側の地域の“ Dangale in the NNE to Jogari ”にあり、ましたが、最もその被害を受けたのは“Baliau and Kuluguma”地区で、木々の枝が火山灰の重みで折れて落下し、周囲は暗く、懐中電灯が無いと外を歩けないと報告されました。溶岩流が北東側山腹を下り、火砕流堆積物は海に流れ出す北東側の谷を埋め尽くしました。火砕流は6軒の家屋を消失させ“Boakure”村の住民は近隣の“Abaria ”に避難しました。報道に拠れば、2,000任の人々が避難したと伝えられています。噴火は1030時に収まり、その後は濃密な白い噴煙が観測されています。噴火後に視界が開けた時と26日には白い水蒸気の噴煙と明るい灰色の噴煙が時折観測されました。

Merapi  | Central Java (Indonesia)  | 263250 | Elevation 2910 m
2010年に生まれた溶岩ドームの容積は連日 4,300 立方メートルの割合で成長し 28日には44,000 立方メートルに達しました。警戒レベルは“1-4”段階の“2”。半径 3 km 以内は立ち入り禁止です。

Ongoing Activity

Aira 桜島 | Kyushu (Japan)  | 280080 | Elevation 1117 m
南岳火口で、この間、3回の噴火と12回の爆発が発生しています。火山灰を含む噴煙は火口上空 2.1 km まで上昇し噴石は火口から 1.3 km に及んでいます。夜間には時折火映が観測され、警戒レベルは“5”段階の“3”。

Ambrym  | Vanuatu  | 257040 | Elevation 1334 m
“Ambrym’s Benbow and Marum”火口の溶岩湖は依然として活動的です。継続して火山ガスと水蒸気を輩出しています。警戒レベルは“0-5”段階の“2”。Benbow 火口からは半径 1 km 以内、Marum 火口からは半径 2.7 km 以内は立ち入り禁止です。

Cleveland  | Chuginadak Island (USA)  | 311240 | Elevation 1730 m
低レベルの噴火の脅威は懸念されるものの、航空カラーコードを「イエロー」に引き下げました。報告では地表面温度の上昇は観測されており高温ガスの噴出が想定されています。

Dukono  | Halmahera (Indonesia)  | 268010 | Elevation 1229 m
8月22-23日と25-28日に火山灰を含む噴煙が高度1.8-2.1 km に達し様々な方角に拡散しました。

Ebeko  | Paramushir Island (Russia)  | 290380  | Elevation 1103 m
17-24日に掛けて噴火が発生し火山灰を含む噴煙が高度 5.2 km に達し、噴煙は南東に 235 km まで広がった事が観測されました。21-23日には温度異常が観測され、航空カラーコードは「オレンジ」を維持しています。

Ibu  | Halmahera (Indonesia)  | 268030 | Elevation 1325 m
8月24碑0838時に噴気阿が発生し火山灰を含む噴煙が火口縁の上空 800 m まで上昇しました。地震波形は爆発と岩屑雪崩を示しています。警戒レベルは“1-4”段階の“2”。北側の 3.5 km 以内と火口から半径 2 km 以内は立ち入り禁止です。

Kilauea  | Hawaiian Islands (USA)  | 332010 | Elevation 1222 m
25日に実施した上空からの観測では割れ目火口“8”の火口底の奥に小さな溶岩湖が認められましたが、27日には確認されませんでした。溶岩流は依然として海に流れ出し、“Laze”噴気を生じています。27日にはごく小さなブレークアウトが生じました。航空カラーコードは依然として「オレンジ」です。画像はUSGS/HVOサイトから引用した玄武岩質軽石の例です。

Pacaya  | Guatemala  | 34110 | Elevation 2569 m
爆発的噴火は僅かに活発化し、毎時 3-5 回の爆発が地震波形に記録されています。
“Mackenney”火口からの 600 m に及ぶ溶岩流は北西側山腹に流れています。

Sabancaya  | Peru  | 354006 | Elevation 5960 m
連日平均25回の爆発が発生しており、火山灰を含む噴煙は火口縁の上空 4.5 km に達しています。25日に観測された亜硫酸ガスの噴出量は日量で 2,230 トンです。火山から半径 12 km 以内は立ち入り禁止です。

Semeru  | Eastern Java (Indonesia)  | 263300 | Elevation 3657 m
23-27日に掛けて火山灰を含む噴煙が高度 4.3 km に達しています。

Sheveluch  | Central Kamchatka (Russia)  | 300270 | Elevation 3283 m
熱異常が17,19,23日に観測され、その他に日は天候に恵まれませんでした。航空カラーコードは「オレンジ」です。

Sierra Negra  | Isla Isabela (Ecuador)  | 353050 | Elevation 1124 m
20-21日にウエブカメラで水蒸気と火山ガスの噴出と溶岩流による火映が観察されています。22-28日は何事も観測されませんでした。

Turrialba  | Costa Rica  | 345070 | Elevation 3340 m
27-28日の間、火山からの噴煙はほぼ火口縁の上空 200 m の高さを維持していました。

Yasur  | Vanuatu  | 257100 | Elevation 361 m
8月中の現在の噴火活動は時々強まりました。警戒レベルは“0-4”段階の“2”。火口から 395 m 以内は永久立入禁止区域です。画像は日本時間の9月1日早朝のライブカメラ画像です。

以上

2018年8月26日日曜日

火山列島日本展:OPTガイダンス:野田市内で見る石材 (5)

当日ご覧頂けないけれど、凝灰岩のチョット詳しい画像のご案内
画像は野田市古内内の八幡神社境内の土中から採取した比較的細粒の緑色凝灰岩。この神社は西院改修済で境内には凝灰岩を用いた石造物は見当たらないのですが、境内には沢山の岩片が土中に半ば埋まって僅かに顔を出していたのでサンプリングさせて頂きました。
全く細粒のものと、やや粗粒のものが含まれているものと二個あります。
三番目は「石灰質の生物遺骸(化石細片)に富む石灰質凝灰岩」で、印西市物木の諏訪神社で採取したもので、狛犬か燈籠か不明ながらその礎石の部分だけが四角い枡状に残っており、その近くの矢張り土中から採集したものです。
四番目は、武蔵五日市付近で採掘されていた「伊奈石」です。博物館の県外岩石観察会の際にサンプルを転石から頂いてきました。この凝灰岩はごく狭い範囲に分布していますが、実は房総半島の嶺岡に実にそっくりの石材が在ります。表面のに白い斜長石の結晶が特徴ですが、両者共に「石臼」に使われていたと云う共通点が有ります。
最後は顕微鏡画像はありませんが、野田市内では実に歴史的に大量に使われて来た「岩舟石」を紹介しておきます。栃木市岩舟のJR駅前に採掘場跡と「日本で一番小さい岩舟石の資料館」があります。この石材は水に強く、醤油工場と河川出の水防用に大量に使われ他石材です。画像の説明は個別に添付しています。

①~④までが同一のサンプルの画像です。一枚目は採取したサンプルの外観です。他のサンプルもタワシでかなりゴシゴシ洗って序に風化した軟らかい部分は取り除いています。

顕微鏡のステージに乗せ易い様に、10 mm 前後の厚みに並行に切り出した資料を造り、出来るだけ研磨材で#1500 程度まで研磨します。研磨状態の画像では上のスケール側は細粒で下方に行くほど粗粒になります。左手に小さな茶褐色の粒子が有り、この付近を観察すると右下がりの線状の構造が見えます。これが堆積時に水流で造られる「ラミナ」です。

画像の横幅は特にお断りしない限り、ほぼ 4 mm です。中央に軽石があります。白濁した部分は方解石・石灰分です。白い半透明の部分は大体斜長石。緑色は主として「緑泥石」と云う鉱物が出来ています。

試料を少し動かすと全く別の顔が現われます。安山岩や玄武岩と異なり凝灰岩は主成分は火成岩ですが、堆積岩なので隙間が有ったり粒子のサイズもバラバラです。房総半島の房州石ではこの緑色の部分は、ほぼ観察されません。

二番目のサンプルは、全体的には細粒ですが、所々に数 mm サイズの凝灰質の塊や岩片が含まれています。この大粒の岩片がラミナを描くと中々美しいものです。右端の小豆色のものは火山岩片です。

研磨後の画像です。粒子の分布が全くバラバラですね。白濁した不定形の粒子は大体石灰質の生物遺骸でこれが全体の糊の役目を果たして結構硬くしかも削り易くしてくれるので彫刻に適した石材です。

この顕微鏡画像では、中央に安山岩が見えます。中に含まれている白い四角い形状は斜長石の斑晶と見て間違いないでしょう。軽石や岩片の間を緑色の薄い膜が取り囲んでいる雰囲気です。

石灰質の生物遺骸(化石細片)に富む石灰質凝灰岩の、ほぼ生物遺骸だけの部分です。画像の横幅は 47 mm。一応、火山岩片や軽石も含まれていますが、薄板状の化石細片がミルフィーユ状に折り重なって堆積しています。これもラミナが観察し易い石材で、伊豆と房総半島に似た様な成分の石材が採掘されましたが、下田プリンスホテル付近の一部の例外を覗き、他にも幾つか分類ポイントがありますがラミナが観察されれば伊豆産出です。

顕微鏡を使わずに、デジカメの接写レンズを使って撮影した画像です。赤茶色は勿論火山岩片です。このスケールは「クラックスケール」の商品名で販売されていて、薄くて目盛の印刷が綺麗でしかも低価格の名刺サイズなので重宝します。小さな目盛は 0.5 mm 単位です。間違ってもステンレス製は買わない様に!

野田では観察出来ない凝灰岩の例です。武蔵五日市付近で採掘されていた「伊奈石」と云うもので細粒砂岩ですが、この白い風化斜長石が表面で妙に目立つのが特徴です。これは未だ詳細の観察が進んでいません。房総との相違点を探し出したいと考えています。

端面をざっと研磨した状態です。岩石の破面や風化面の状態も重要な観察項目ですが、この様に平らな研削面を造るのも、凹凸等の見た目に騙されない為には重要な観察方法だと考えています。

中断していますが、少し粗い研磨状態での顕微鏡画像です。画像の横幅は 3 mm です。研磨材のひっかき傷が残っています。中央は劈開が観察されるので斜長石です。

最初の二つの凝灰岩は最初の頃は別物として分類していましたが、堆積物なのでこの様に細粒分と粗粒分が一つの石材として認識されるようになりましたので、敢て区別する必要は無くなりましたが、やはり見た目がかなり違うので、今でも一応別に区分しています。

チャートの岩塊が含まれた凝灰岩が珍しい訳ではありませんが、野田付近に運ばれた凝灰岩として醤油工場の立地と、利根川と江戸川の存在からこの岩舟石は人々の目には触れない場所でこの石材は活躍してきたものなので、参考用に御案内します。チャートや花崗岩が含まれているので、足尾付近と似ています

以上

OFF

8月25日:OFF
新鮮そうな岩石破面を見るとカメラに・・・
大英帝国の元気だった頃の
手吹きガラスは風景のゆがみを確認
・・・
数十年前の機械製図の最初のテーマはこんな手巻きウインチだった
三段の石垣
上から見ると
・・・ナナカマド・・
今日一番の遠地点

2018年8月24日金曜日

火山列島日本展:OPTガイダンス:野田市内で見る石材 (4)

さて、愛宕神社にやっと到達です。先ず正面で一応参拝を致しまして、左手の太鼓橋(石橋)で結ばれた「額堂(諸説有調査中)」付近を見た後、玉垣の礎石と柱の下の束石(つかいし)を観察します。基壇の所々に有る奉献者名に併記された年号等も拝見します。
ここの主の狛犬は銅製ですが、石燈籠や石狛犬もありますので、時間があれば回りましょう。尚、本殿は文政七年(1824)に再建されたもので透かし彫りが有名です(千葉県文化財指定)。尚、この神社には神主さんが常駐していません。常駐神社は桜木神社と言い立派ですが凝灰岩はほぼありません。

神社の建物全体が石積みの上に建てられていますが、石垣部分を「基壇」とも言います。木製の板塀は「玉垣或いは板玉垣」とか「瑞垣」と云う地方も有る様です。右側面の途中に小さな階段が在り、手前の石垣と奥の石垣では表面が異なります。洗練された美しさや、瘤出しと云う方法で力強さを表現するのでしょう。

基壇石垣の方々にこの様な奉納品のない様や願主名そして時にその時期を刻んだ額が嵌めこまれています。この基壇を築き、補修した時期が判る貴重な資料です。

拝殿前の階段を登った処に30枚程の切石が敷き詰められています。この石材には安山岩と凝灰岩が両方使われています。緑色凝灰岩も含まれています。参拝者の邪魔にならぬよう観察しましょう。

敷石の一枚をクローズアップしています。茶褐色の塊が淡い水色~緑色の隙間に数多く含まれています。これは凝灰岩で、茶褐色の部分がもっと大きいものが、礎石や玉垣の柱等に良く使われていますが、奉献者の名前が刻みにくいのが欠点です。薄茶のブロックがポックリ剥がれるのが欠点です。

基壇の上を左手に回ると小さな太鼓橋があり、額堂(諸説有調査中)に繋がっています。明治三十七年のもので、キッコーマンの初代の奉納名が刻まれています。

社殿を取り巻く透かしの板塀を玉垣と云います。石材が使われる事も多いのですが此処では木製です。その足元に目をやると玉垣に沿って淡褐色の石材が敷き詰められ、所々で四角いブロックが玉垣を支えています。この神社ではその両方に伊豆の凝灰岩が使われています。

玉垣を直接支えているのは束石(つかいし)と云い数種類の凝灰岩が使われていますが、岩相が良く判るのは二種類で最も多いのは緑色ガンで粒状の組織を持っています。西光院の参道で基壇の石材の一部に使われていたものと同一です。

数は少ないのですが、灰色と白の筋模様が観察される束石も含まれています。これは房総半島鋸山で採掘されていたものと良く似ていています。単独の石材では判別はかなり困難で、石塀に使われている時は、丹念に調べると証拠を見付ける事がd切るケースがあります。

玉垣に沿って敷き詰められている礎石は、土を被ったりしていますが、斜めの筋模様が見えたりこの様に白い模様が見える事があります。これは石灰質の生物遺骸(化石細片)で、舞楽殿の礎石と同じものです下田付近の石灰質凝灰岩です。

境内には様々な石造物がありますが、丁寧な加工を施された石造物も沢山有ります。道路側の一角に、脇に階段が付けられた燈籠があり横に白地の立て看板を立てたものが有ります。享和二年(1802)愛宕大権現と書かれている事が記されています。彫刻の一部を見て見ましょう。

同じ燈籠の火袋の部分とその下にも細工が見えます。火袋の上にも細工が見えます。

火袋の上にこの様に龍が刻まれています。石工は「古谷津喜兵衛」と刻まれています。残念ながら珍しい名字の割にはこの石工については詳らかではありません。

一応次回で終える予定です!

2018年8月23日木曜日

火山列島日本展:OPTガイダンス:野田市内で見る石材 (3)

今日ご案内する範囲は、西光院の参道を抜けて、勝軍地蔵堂は初日に済ませたので、勝軍地蔵堂周りのから西側の築山と愛宕神社本体は最後に取って置く事にして、額堂裏を通り舞楽殿までの範囲です。愛宕神社本体とこの額堂は明日の予定。補遺を加えてあと二回程度ですね。今日の画像は12枚。

石碑と云えば、最近は輸入物の黒御影(斑レイ岩)等に押されていますが、明治以降は石巻の井内石(仙台石)ですが、江戸時代から使われていた石碑石材として、根府川石と本小松石が有ります。何れも似た形状で彫刻面の広さに比べて板の厚みが薄いので扱い易い事。冷却節理で表面が硬いので刻銘文字が崩れないことです。

根府川石の採石場風景です。現在は採掘はせず、「採掘されたものを道路脇に並べているので良ければ買って下さい」方式です。根府川駅から 4WD でやっと上り下り出来そうな悪路を辿って辿り着きます。

後で画像を出しますが、根府川石と本小松石が結構混同されて使われています。根府川石には破断面にこのような流離構造が観察されるので、簡単に見分けが着きます。同じ箱根溶岩なのに面白い特徴です

本小松石の採石場風景です。同じ様な冷却節理が際立っていますが、時々採掘される大きな岩塊が墓石の素材になります。近くに加工場も有ります。

本小松石(青)の破断面です。目が細かく詰まっていますね。

本小松石でも少し粗い目のものが有ります。これは磨いて暫く置いておくとこんな風に模様が出て来ます。普通は油を塗った様な模様が出て来ます。墓石を良く見ていると文字を刻んだ周りにこのようなものが出ている事が有ります。

勝軍地蔵堂の傍に、大師堂があります。中を撮影したものですが、台石は多分安山岩でしよう。大師様は大体、粒状の凝灰質と砂粒程度の火山砕屑物の混ざったものです。同じものが参道脇で使われています。

勝軍地蔵堂から西側にこの様に築山があり、境内社が三社祀られています。此処には古い廃材等も置かれている事が多く、石材調査には欠かせない場所ですが、当日はここまでゆっくり見ている時間は無さそうです。

一つだけ、これまで出て来なかった石材がありましたね。「松尾大社」の石碑が緑色片岩です。

信徒会館の脇から額堂(鳥居の左側の建屋:礎石は小松石)の裏手を回ると舞楽殿に達します。額堂は愛宕神社の基壇から回ります。舞楽殿の礎石に少し触れておきたいので此処に御案内します。画像の奥に築山の鳥居が見えています。
舞楽殿の礎石には比較的斜めの線が顕著な(ラミナと云いますが)石材が使われています。ルーペで見ると貝殻の破片のようなものがびっしりと詰まっています。裏手に切石があるのでそれで観察出来ます。恐らく、安山岩の次に大量に運ばれたのがこの石材だろうと思います。殆どが我々の目に触れない礎石に使われますが、結構目立つ基壇の角や笠石、にも使われています。神社の板塀(玉垣)の礎石にも使われています。

野田市内の高梨家「上花輪歴史館」傍に置かれた同じ石材で、醤油工場内の重量物を置く床に敷き詰めたものの様です。30 x 35 x 80 cm のサイズなのでざっと 180 kg は有りそうで、ずらりと並んで置かれています。

続く