目まぐるしく変化する“FB”の世界で、最初のきっかけは忘れてしまったけれど、大谷石の中に含まれる「礫」の話になった。参考として産総研から発行されている「地質ニュース」に掲載された「土浦・八坂神社の礎石」(2004)をご案内した。八坂神社の礎石に使われた石材の産地の候補として上げられた露頭を観察したのだが、2004年当時は未だフイルムカメラ(OM-1)を使っていた時代でフイルム画像をデジタイズしないままに過ぎてしまったので、当時の画像が無い。
数回に分けて、軽石やセラドン石は除いて、流紋岩や玄武岩(~安山岩)の砂礫サイズの岩片が大谷石として使われている石材の中に含まれているのをご紹介します。
「八坂神社」記事は下記から御覧いただける
https://www.gsj.jp/data/chishitsunews/04_08_07.pdf
地図は宇都宮市北部のゴルフ場と山田川に挟まれた狭い削平された土地の法面。相当地層は“Os”凝灰質砂岩・シルト岩だが、削平した跡なので株の“Ot”流紋岩火山礫凝灰岩・凝灰岩及び凝灰角礫岩なのだが、風化していて感激する様な地層では無く、これじゃ石材として使えないよと感想を持ったのみで、サンプリングもしないまま、したがってその後で顕微鏡でも見ていない。地質図「宇都宮」の28頁から抜粋させて頂いた大谷層基底部の柱状図。この柱状図は農業公園の西側に在る「半蔵山」付近だが、大谷層最下部付近の「流紋岩円礫を含む」地層だったらしい。地質図は下記
https://www.gsj.jp/data/50KGM/PDF/GSJ_MAP_G050_07103_2010_D.pdf
大谷石に触れる前に、開削の大谷石採掘場の画像をご紹介しておきましょう。これは高橋商店さんの石切場で、唯一の開削現場。2010年に「千葉県立中央博物館」の県外岩石観察会に参加させて頂いた際の画像。
前の画像の右手には更にこの様に真っ平らな当時の採掘面が広がっています。
採掘場で落ちていた大谷石の岩片に黒いものが見えたので、咄嗟に10円硬貨をのっけて雨の中で撮影したのでクリアな画像では無いけれど明らかに岩片。コースター状に切断されたサンプルを頂いて帰り、良く乾燥して表面を撮影した中の一枚。拡大して見ると流紋岩らしい岩片が見えた。表面を磨いていないので慣れないと判らないかもしれないが周りに斜長石の斑晶らしいものがパラパラと観察される。
柱状図のコースに出て来た「半蔵山」で大谷層の基底付近の大きな安山岩礫。スケールを置かなかったので草葉のサイズから想像して頂ければ幸い。これも博物館の岩石観察会の際のもの。
千代田線の松戸~北小金井間の段丘上に在る住宅街当たりの確か擁壁に使われた大谷石が見事に風化していたので撮影したもの。軽石が変質して見せる青色が美しいが、砂粒程度の小さな岩片が散乱しているのが判る。かなり前の画像なので位置情報が記録されていない。やや、岩片が大きい場所で小さな金尺を置いて写してみました。砂礫サイズのものがかなり混じっているのが判ります。
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