三浦半島で名前だけは判っているものの、実態が判らない石材に「金田石」が有りました。三浦市内で剣崎の北に「金田湾」が広がっていますが、「引橋」の西側に金田地区が有るので何の目星も無いのですが歩いてみました。
GPSを紛失したのでデータが無いのですが、撮影した画像を見ながら地図上に黄色い線で歩いた筈の道を記しています。行き止まりの細い道が結構あるので、この付近を歩く時は注意が必要です。農道が多いのですね。赤線はバス道路。緑色は石材関係のポイントです。黄色の線は二ヵ所の貯水池まで伸びていますが、これは石材産地では、貯水池の堤防に地元産の石材を用いる可能性が有るので確かめに行った為です。
地質図は「三崎地域」と北側はシームレスのままです。シームレス部分の赤線は京急の路線です。交差する灰色の線は、金田地区の北部と前にご案内した黒崎の鼻の根元まで続いていますが、南下浦断層だと思うのですが、こんな細い線では無くもう少し幅を持って考えた方が良さそうです。黄色の線は三浦半島南部の大地に刻まれた細長い谷地形の崖の部分に出ている地層の境界を示すもので茶褐色の部分が初声層の火砕質砂岩で、場所により石材として採掘に耐える可能性を秘めた地層。濃い青と緑は三浦層群の厚いスコリアは別としてまず石材としては通用しない地層です。黄色で囲んだ「岩堂山」は石切の痕跡が残る場所です。
引橋の南側から東に進んでいくと路傍に小さな神社がありました。社殿や玉垣は別にして、基壇とその周りの敷石に手掘りの工具跡が残る切石が使われています。周辺にも少し古い切り石が散乱しているので、石切り場の候補地の一つ。崖の上から下を覗くと余りそれらしからぬ風景なので、「地石」として、必要な時に必要な量だけ採る場所かも知れません。
傍に、馬頭観音が祀られていたので恐らく間違いないでしょう。
同じ初声層でありながら少し砂質ですが綺麗な岩肌です。
盆地に降りて一番西側のため池の手前に露頭が在ります。傍目の手前に水路が在りますが、水路脇に切り石が沢山積んで置かれています。ここに来る手前の路傍にも切り石が沢山ありました。
畑の脇に置かれた切り石のなかでカビが生えていない石材表面の例です。佐島石とは少し違いますが似たような強度だろうと思われます。
低角の断層のような場所にピンクの軽石が出ていました。黒崎の鼻と同じ地層がこの下に伏在しているのかもしれません。
集落の中の「金田走湯神社」の境内が妙に凸凹しています。珍しい事ではありませんが、石材の加工を行って端材を埋めて境内を少し高くしたのでしょう。普通は境内はもっと平らに均すものなのですが・・・「走水」と「走湯」間違いではありません!
集落の中の農家の石塀に緩やかなカーブを描いているものがありました。このような曲線の石塀は、少し厚めに切り出して曲線を合わせていくので、産地の近くや山持でなければ中々出来ない事なので、これは地元石材と考えて良いのでしょう。
佐島石と似ていますが少し粗い雰囲気でしょうか?佐島石でもスコリア層が挟まると結構粗いので類似石材として扱えそうです。
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