荒崎や浜諸磯は随分古い話になってしまいましたが、2007年に日本火山の会のOFF会で行った場所です。ここは両方ともに黒色のスコリアの中に泥岩の偽礫が含まれている事が判っています。しかも浜諸磯は国有地なので第二海堡の凝灰岩質石材の供給候補地としては非常に有利な条件を満たしています。
写真地図に三か所の黄色で囲んだ場所が在りますが、左側の二か所は灯台側から回り込めますが、右手の一ヵ所は途中が通れないので青少年センターの方から回り込む必要があります。右手の二か所は、泥岩の偽礫を含む黒色スコリアが中心。右手はほぼ黒色スコリアだけです。スコリアだけの部分は波に拠る浸食に強い様です。今回の画像は真ん中の石切跡を中心に整理しており、次回は右手の石切跡をご紹介します。
この場所での石切跡は、天神島に見られたようなランダムな石切とは異なり、かなり計画的に基線を決めて効率的な石切りを行っています。地層がうねったり歪んだりしている中で、基線をキチンと引いて引きはがしをしながら石材の厚みに対して残った表面の高さがバラバラになるのを基線を引き直して切り出している雰囲気。
前の画像を含むやや広い面積を俯瞰してみた画像。多少の凹凸は残るが水溜まりの状態から見てまずまず平らに切れている。
この地層面は側面から見ると、水面下なので良く判らないが結構層厚がありそうな乱堆積層だと判ります
均一な良い層が有る場合には潮位の影響を受けるぎりぎりの高さまできちんと切っている。次の画像と見えている岩礁は同じ。
一番高い平坦面でも広い面積を設定して採石しています。画面右上の岩礁は前の画像と同じ
波打ち際まで切り出した処を上から見ると整然と石材を切り出そうという努力が良く見える
スコリア層に挟まれた凝灰岩層に見事な生痕化石が観察される。と言っても、種類などはテンで知識が無いから名前は判らないのです。
崖の泥岩~凝灰質層には沢山の巣穴を含む生痕化石が観察される。スコリアのサイズも層厚も泥岩や凝灰質や地盤の隆起や沈降などもドラスティックな変化を受けたのでしょう。
これは「ベインストラクチャー」の様ですね。2006年位に、観察会にお出で頂いた千葉先生にこの構造の出来方を教えて頂いた。マッチ箱か、煙草のケース位の大きさの容器に微細な岩石粒子を入れて置いて振動を与えるとこの構造が観察されると実際にやって見せて頂いた。
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