遊歩道を終えて、そのまま県道を仙台方面に進むと左側に「森幸石材」さんの作業小屋が見えてきます。会社は別の場所に在り、此処は採石をする時だけの作業場の様です。
石を取るのは見上げる丘の上です。ここを通り過ぎると県道と分かれて平行しながら坂を上ります。この先に凝灰岩の鳥居の有る洞窟堂があり、その先の崖を回った処の左手に手掘りの採掘跡が残る小さな石切場跡があります。これを過ぎると間もなく新秋保橋、或いは磊々峡入口のバス停です。バス迄時間が有ったらバス停傍の石の壁で秋保石を堪能して下さい。
森幸石材さんの採掘場の作業小屋と上の方の黄色で囲んだ辺りが実際に採掘をやって居る場所です。企業の事務所は仙台に向って暫く走ると確か右手にありました。下流側には幾つか小さな採掘場が今も残っている筈です
この付近で採掘される石材の一例です。これは比較的礫が少ない表面です。
洞窟堂という「堂」なのに鳥居が在ります。 石祠や五輪塔が安置されています。大きく凹んだところはタフォニーと呼ばれる「塩害風化」です。
鳥居の表面を拡大して見ました。
洞窟堂を過ぎて手掘りの丁場跡の少し手前で後ろを振り返るとこんな風景です。そうです。これも冬場のフィールド調査です。
見る事の出来る手掘りの石切場はごく小規模です。実際にはその先が凄まじい落差の石切跡なのですが、木々に隠れて観察する事が出来ません。
石切の際の一番面倒なのが、この様に壁面から奥に掘り始める時なのです。ここはこれ以上掘る心算が無く試掘程度だったのでしょう。少し手軽な方法で奥に1~2段掘り込んだだけの様です。でも、これも「ツルハシ」を水平に降らなければならないので、それなりに大変な作業です
手掘りの石丁場はこのようにツルハシの目が綺麗に平行にサクサクと入っています。一段毎に歯の入る方向が大体逆になる事が多いようです。一段は25~28cm程度です。
石材の厚みは大体 24 cm を目途に切り出しますが、石材を「起こす」作業の良し悪しでこの段差の厚みが変わります。
森幸石材さんの石切場を、新秋保橋を右岸側に渡って、大きな旅館の裏手から望遠レンズで写したものです。周囲は西洋の城のように切り立っていますが、現在の作業は松の木があるやや低い方でやって居るのを、別の機会に見掛けました。
手掘りの石切場(画面左端)を過ぎると斜路で県道の高さに戻ります。バス停はこの画像のもう少し左側になります。実はこのコンクリートのように見える部分は全て秋保石です。次回で少しその画像をご紹介します。
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